男の痰壺

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ゲティ家の身代金

★★★ 2018年5月27日(日) MOVIXあまがさき2
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正直、リドリー・スコットの新作に何かを期待しようという気はもうない。
ワールド・オブ・ライズ」あたりまでは、職人化したとは言えナウを表出するセンスは持ち合わせていた。
ように思うのだが、最近は見るたびに凡化するばかり。
 
今作は、ミシェル・ウィリアムズが好きなので、その興味で見たようなもんだ。
一応、彼女がクレジットトップである。
 
この映画が描くべき骨子は3つある。
・母としての彼女が、息子を誘拐され高額の身代金を要求されるが、支払いに応じない義父との確執。
・スーパーな金持ちである義父が支払いに応じない理由。
・誘拐団の内部事情。
 
なのだが、義父が支払いに応じない理由は、わかったようなわからんようなレベル。
端的にドケチゆえに払いたくないってことなのだが、そのへん描写に芸がなさ過ぎて食い足りない。
誘拐団サイドであるが、これはもうあんなところでしょう。
 
で、肝心の母の煩悶と義父との確執なのだが…、
ミシェルの美形だが固太りな体躯という特徴を生かしての肝っ玉おっかさん的な獅子奮迅は大してない。
もう、その部分に徹底的に寄って心中すべき映画であったのにと思うのだ。
 
ケビン・スペイシーが例の問題で降板したというのも残念です。
彼なら、もうちっと違う解釈を見せてくれたぁもしれない。
 
何を骨子に描くか定め切れてないので生半可。祖父は何故に払わないのかと、母は如何にして払わせたのかはどっちも拍子抜けレベル。折角クレジットトップならミシェルおっ母さんの獅子奮迅記にでもすれば背骨も通ったろう。無駄骨ウォルバーグも寂寥。(cinemascape)