男の痰壺

映画の感想中心です

ノクターン

★★★ 2023年7月7日(金) シネリーブル梅田3

深夜、部屋に閉じこもってるらしき女性が、姉に電話してどっかに旅行行くとか行かないとか話している。まあ、それだけの映画で8分間の短篇です。解説を読むと光過敏症なんだそう。

 

ラース・フォン・トリアーが長篇デビューする前の最初期の作品だが、病み感が半端ない。光過敏症で引きこもってるというより業病で監禁されたような禍々しく剣呑な描写であり、彼女に寄り添う気持ちなんて微塵もなく冷徹に観察し続けるトリアーのド変態性が滲み出ている。

ゆっくりパンニングするカメラ。青い画面の片隅に映り込んだオレンジ色の発光液の入った容器。何の液体か知りませんけど強烈な印象です。それはまるで薄暗い湿った森の下草の陰に生えた毒キノコの燐光のようだ。

画面内の造形に関する拘りは最初から半端ないものがあったことがわかる。

 

病み感が半端ない。業病で監禁されたような禍々しく剣呑な描写で、彼女に寄り添う気持ちなんて微塵もなく冷徹に観察し続けるトリアーのド変態性。青い画面の片隅に映り込んだオレンジ色の発光液は薄暗い湿った森の下草の陰に生えた毒キノコの燐光のよう。(cinemascape)

 

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