男の痰壺

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Gメン

★★★★ 2023年8月30日(水) Tジョイ梅田6

モンタージュ理論とか、そんな大層なもんどんなか知りませんが、それでも映画の編集とはある程度は論理的なもんだと思うんです。でも、この監督には論理のカケラもございません。冒頭の4、5分を見てそう思いました。「日本のウーヴェ・ポルやー」って、そんなもん知ってる人少ないでしょうが。

でも、その危惧はほどなく見えてくる王道的な少年漫画の強度に糊塗される。

 

転校生が荒くれ学園(クラス)に転校して来て番長を倒して学園を平定する。「男一匹ガキ大将」や「なんと孫六」なんかに通底する鉄板物語。限りなくベタそのものなんですが、この映画の秀でた点はど真ん中にプレーンな王道、傍にヒネッたキャスティングを処してベタさえも隠し味と化してしまうところであった。監督、瑠東東一郎はこのキャスティングを施せた点で脳内白濁モンタージュの汚点を挽回したと思います。

 

ちなみに、ど真ん中の王道とは、岸優太・竜星涼恒松祐里、ヒネッた傍は、田中圭高良健吾吉岡里帆です。特に田中圭には驚いた。関心度ナッシングな役者でしたがこんなことやれるんやと思った。見てる間、この若い頃の哀川翔みたいな奴誰やろ?としか思わなかったですもん。

 

話にならぬ糞モンタージュへの辟易を一旦置いとこ思わせるグルーヴ感。さすらいの転校生VS影番の王道少年漫画は適役とそりゃないわの飛び道具(キャスティング)の食い合わせが化学反応を起こし珍味を超える。死ぬ気でやる奴は必ず誰かが助けてくれるのよ。(cinemascape)

 

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