男の痰壺

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ジョン・ウィック コンセクエンス

★★★★★ 2023年10月16日(月) MOVIXあまがさき10

例によって襲撃されて撃退するの繰り返しで、ご丁寧にザコ敵に対しても数発ぶち込んで念の為脳天にも1発の「ご作法」も相変わらずです。

ここまでおんなじことを何作も繰り返して飽きがきそうなものなのだが、なんでしょうか、毒をもって毒を制すというか、おんなじことを大盛りどころか特盛を超えてメガ盛りに達することによって突き抜けてしまった感がある。

 

【以下ネタバレです】

大阪→ベルリン→パリと行く先々で何百人と殺しまくるジョン・ウィックであるが、流石に彼を覆う疲弊感が濃厚になっていく。演じるキアヌの加齢もあるんでしょうけど、なんだか可哀想に思えてくるほどに。

特にパリでの3つの戦いは演出のアイデアも冴えまくる見せ場で、和食と洋食の定食を食べて腹一杯のところに中華のフルコースが出てきたようなもん。凱旋門、廃倉庫、長い階段でのそれは、それぞれ、一通でぐるぐる回る車に当てる轢かせるの繰り返し、重火器で殺しまくるのを俯瞰の構図で長回し、いいかげん止まるやろの慣性法則に反する階段落ち、といった斬新なお手前。演出も体力と胆力です。

 

全てが終わったあと階段に座り込んだ彼の顛末は、そりゃそうやわなと思わせるに充分な大食い大会の優勝者のものでした。心からお疲れ様と言いたいです。

 

ドニー・イェンも大概のお歳だと思うが、盲目という設定が効いて飛んだり跳ねたりせんでよく小技を効かせて圧倒の存在感でした。

 

例により襲撃され撃退するの繰り返しで飽きがきそうなところを大盛どころか特盛を超えメガ盛に達することにより突き抜けてしまった感。大阪・ベルリンを経たパリでの3つの戦いは過剰が笑いに転化した果て無常に至る見事なお手前。演出も体力と胆力なのだ。(cinemascape)

 

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