★★★ 2023年9月17日(日) MOVIXあまがさき3
もはや手垢まみれの「貞子」であるが、3番煎じ5番煎じとも言える似たようなものを創始者である中田秀夫が敢えて出してきた点、それと前作が復調を多少感じさせたことから密かに期待はしていたし、読んだ評価も悪くなかったのだが。
もう、純粋にホラーとして本当に怖いものはちょっとやそっとでは作れないんじゃないかってくらいにジャンル隆盛の後の斜陽なわけで、その点で突っ走ってるみたいな評を見て「マリグナント」みたいなジャンル横断のやり過ぎを期待したのだが、全然やり過ぎでなかった。まあ、そもそも「マリグナント」も殊更には買ってないし。
ホラーとキラキラを交替で出てるような橋本環奈であるが、この方いい意味で小器用なんでしょうね。でも「春に散る」みたいなスッピンで何もしない棒の役の方が新鮮でした。シソンヌ長谷川は好演。ウイカは陰の役で気の毒。
中田にある種の開き直りを感じた前作から後退して規定の範囲内で凡庸に収まってしまった感。突破口は幾つかありそうに見えたが活かしきれない。地中からの蘇りならゾンビなどへのジャンル越境に挑んで欲しかった。霊媒師ネタが良かっただけに勿体ない。(cinemascape)