男の痰壺

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マルケータ・ラザロヴァ―

★★★ 2022年7月24日(日) シネリーブル梅田3

半世紀前の1967年作だそうで、チェコの国民的な文学をチェコヌーヴェルバーグの旗手であるフランチシェク・ヴラーチルという監督が映画化した巨篇て労作と言っていいだろう作品。でも、公開されなかったのもわからんでもない。

中世を舞台した巨篇ということでチェコでは「アンドレイ・ルブリョフ」や「七人の侍」と並び称されてるそうだが、その2作にあって本作に欠けているのは、観客が感情移入できる強固な自我をもった登場人物です。

タイトルの美少女マルケータは登場するのが中盤以降で、それまで映画の画面を形成するキャストや美術など力入ったものなのだが、肝心のエモーションは置き去りである。軸の定まらない小競り合いは心の寄せどころがありません。

 

終盤で修道女になるはずであったマルケータが現実世界を知った後、教会に行った折に彼女たちの祈りを聞いて批判する。こういった物語が誘引する価値観の変転こそが映画を起動させると思うのだが、時すでに遅かった。