男の痰壺

映画の感想中心です

映画感想【な】

夏の終り

★★★★★ 2013年9月14日(土) テアトル梅田2 『浮雲』ほどの虚無感はないが、激情を押し殺し惰性に覆われた無為な年月を描いて細緻である。坂のある三叉路の古式ゆかしい舞台的使用。仰角アングルのパノラミックな多用。満島の毛穴や鼻汗を際立たせるデジタル…

凪待ち

★★★★★ 2019年7月12日(金) TOHOシネマズ梅田5 白石和彌のことを俺は基本的に買っているのだが、売れっ子監督になってバカスカ撮ってダメになるんじゃないかと懸念している。 これは、そういった彼の作品のなかでも、何か傑出したものではないかもしれ…

七つの会議

★★★ 2019年2月5日(火) 大阪ステーションシティシネマ1 野村萬斎の能の形式がどうしたってにじみ出る時代がかった大芝居に期待するものがあった。 俺は「柳生一族の陰謀」って映画での萬屋錦之助の大芝居が好きで、まわりの役者の日常的な芝居とまったく噛…

ナポリの饗宴

★★★ 2019年2月2日(土) シネヌーヴォ 子供のころに読んだ佐藤忠男著「世界映画一〇〇選」っていう本があって、あまりに繰り返し読んだもんだから、そこに選ばれた100の映画に俺は敏感に反応してしまう。 本作も選ばれており、佐藤先生褒めまくっておりま…

泣き虫しょったんの奇跡

★★★★ 2018年9月8日(土) TOHOシネマズ梅田4 らしくない映画やなと思ったら豊田利晃は奨励会出身のバリバリの棋士出身だそうな。 本当に意外であって、石井岳龍の次世代のパンキッシュ映画の担い手という印象があったから。 だって、平気で新井浩文を直…

ナイル殺人事件

★★★★ 1979年1月2日(火) OS劇場 クスブリばかりを集めたかのような2線級オールスター2番煎じものと思って期待もしなかったからだろうが、シネスコスクリーンに映えるエジプトの大景観は正に映画の醍醐味をもたらした。ジャック・カーディフの映画と言って…

ナインイレヴン 運命を分けた日

★★★★ 2017年12月16日(土) 新世界国際劇場 今更感がある題材に今更感のある役者。 食指がわかない映画なのだが、存外に良い。 それは、9・11という題材におんぶにだっこじゃないからだ。 ビル内のエレベーターに閉じ込められた5人の確執は、よくあるヒ…

夏をゆく人々

★★★★★ 2015年9月14日(月) テアトル梅田1 姉妹にエリセの父権にタヴィアーニの養蜂にアンゲロプロスの失踪にアントニオーニといった具合に痕跡はあるがシネフィル的小賢しさは無い。少女時代の追憶は客体化され十二分に乾いてるが尚情緒的。フェリーニな祝…

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生

★★★ 2017年10月21日(土) プラネットスタジオプラス1 もちろん始祖であるが故に全然怖くない。 ゆっくり歩いてくるゾンビは俺でもやっつけられそう。 それでも、16ミリ・モノクロの即物感は悪くない。 ゾンビの初出シーンの、何のタメもない、単におっさ…

ならず者

★★★ 2017年3月20日(月) プラネットスタジオプラス1 かのスコセッシが「アビエイター」で描いたハワード・ヒューズが当初のハワード・ホークスをクビにして撮り直しを重ねて出来上がったしろものなのだが、いろんな意味でおもしろい。 確かに技法上のバラ…

ナッシュビル

★★★★ 1977年9月11日(日) SABホール カメオ実名人を虚構に混在させたノンフィクションもどきのフィクションは50人以上の主要人物群の悲喜交々な寸景を一所にぶち込み掻き混ぜ泡立てる。包括的にカオスを狙った編集が成功し祝祭と音楽が形成するグルーヴ…

ナイスガイズ!

★★★★ 2017年2月21日(火) 梅田ブルク7シアター5 70年代をモチーフにしたハードボイルドってのが、もしかしたら流行? なんて思っちまうくらい全てが様になってる。 SEX&ドラッグと生活の垣根が低いんですなあ…この時代は。 そりゃあ、なんでも規制…

永い言い訳

★★★★★ 2016年11月5日(土) TOHOシネマズ梅田8 売れっ子作家が妻の死によって自分の人生が実はカラッポだったことに気づかされる話…では終わらない。 妻への愛情はもうとっくに無いと高を括っていたが、その瞬間から愛人は去り著作のアイデアも枯渇する…