男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2011年2月19日 (土))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

不気味な革命

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何十年も続いた体制は年月を経るに腐っていくのが世の常なのだから、どっかで崩壊してしかるべきだとは思う。
多くの人がベルリンの壁レーニン像が破壊されなぎ倒される映像に対して感じた思いは「やっと…」
だったのではなかろうか。
ゆっくりと内部腐食し自壊していく時間の積み重ねのもたらす詠嘆とでも言うか。
自民党の終焉もそうだ。
熟しきった「頃合」に対する納得感があった。

一方で、中東の連鎖する反体制デモの成功は、どっか胡散臭い。
明確な代替案が存在しないのに、現体制をぶっ壊してしまった感がある。
そこに介在するのは、相変わらずのネットらしい。
これほど、鮮やかに革命が成立してしまう違和感。
生煮えの雑巾の腐臭と言おうか。
熟しきらない無花果の生臭さと言うべきか…。
名古屋の同時選挙のワンイシューの勝利も同じ臭いがする。

最近、100円に値下がった浦沢直樹の「モンスター」と「20世紀少年」を古本屋で買ってトイレの中で交互に少しずつ読んでいるのだが、「モンスター」で描かれる魔少年ヨハンの巧みな人心操作や扇動術が、どう巧みなのか描かれないのが弱いと思いつつも、俺は肛門括約筋を緊張させつつ思いを馳せるのだ。
遠くエジプトにチェニジアにリビアにイランに
そこにヨハンが居ることを…。
そして、数ヶ月前に読んだ伊藤計劃虐殺器官」の大量殺戮に介在したものも。