男の痰壺

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栄光何するものぞ

★★★ 2023年11月3日(金) プラネットプラスワン

1926年にラウォール・ウォルシュが映画化した原作をフォードが20年後に舞台版のミュージカルとして上演して1949年にそれを映画化したものらしい。その際ミュージカル要素はカットされた。と他の方のコメントに書いてありました。

第1次大戦下の独仏戦線に進駐した米軍の話でミュージカルにするくらいだから基調はコメディ。キャグニーの隊にダン・デイリーの軍曹が赴任してくる。2人は旧知の仲だが犬猿の仲でもあった。この2人と地元フランスの酒場の娘との3角関係が話の軸。

 

この3角関係がどうにも萎え切らない。キャグニーは女を袖にしてデイリーに押し付けるのだが、やっぱ好っきゃねんとばかりに返せとなる。その心的変化は分からんでもない。一方でデイリーも何を今更、ふざけんなボケである。とまあ、男たちは勝手な論理であれこれやってるわけだが、モノみたいに扱われる女はたまったもんじゃありません。そのへんをフォードは全然描けてませんなあ。時代もあるんでしょうが、フォードの作家的資質の問題でもある。

 

冒頭の米軍がやってくるのを出迎えるフランスの田舎町の風情。家並みを走る女を追うカメラの躍動。

そして、ラストの言いようのないアイロニー

いいところもありました。

 

3角関係の恋愛がライト過ぎて感情の機微がほとんど伝わってこないのはフォードの資質上仕方ないのだろう。冒頭の米軍がやってくるのを出迎えるフランスの田舎町の風情。家並みを走る女を追うカメラの躍動。そして、ラストの言いようのないアイロニー(cinemascape)

 

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