男の痰壺

映画の感想中心です

牝猫たち

★★★★★ 2017年3月6日(月) シネリーブル梅田4
イメージ 1
日活ロマンポルノでなく、今村や浦山が一線で頑張っていたころの映画のよう。
女に対する視線が冷やかそうに見えて、しぶとく探求的なのだ。
3人の女の3様な顛末という図式は陳腐ではあるが、内実が豊穣。
脳内形成された物語でなく地道な取材や経験で紡がれた物語だと思う。
 
非情や無責任や自己愛が跋扈する現代だが、託児バイト業男のささやかな抵抗。
そこに一抹の希望を託しているかのようだ。
 
「ラブ&ピース」や「団地」といった近年の日本映画でも使われたCGであるが、本作の1点突破の力技。
その余りにもの切なさに涙を禁じ得ない。
 
田中登にオマージュをささげたらしい。
殺伐とした屋上シーンは確かに「㊙色情メス市場」みたいだった。
 
往年の日活映画並に女に対し視線が冷やかそうに見えてしぶとく探求的。3人女の3顛末という図式は陳腐だが内実が豊穣。地道な取材や経験で紡がれた物語だと思う。非情や無責任や自己愛が跋扈する現代に託児バイト業男へ託された一抹の希望。CGは画龍点睛。(cinemascape)