男の痰壺

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アウトポスト

★★★ 2021年8月8日(日) 新世界国際劇場

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いったい何を描こうとした映画やねん。

と思えてしまうのは、起こったことへの批評や考察が見受けられないから。

 

アメリカのアフガニスタン制圧によるタリバンとの闘いで最も苛烈だったらしい「カムデシュの戦い」を描いたものだそうだが。

 

摺鉢状の地形の底にあたる場所に米軍前線基地はあるので、四方八方の山から囲まれて攻められれば万事窮するのは知れている。着任した兵士たちは、その地勢を見て「地獄だな」と言う。

であるならば、映画としては、それでも尚抗タリバン戦のためにそこに基地を置かねばならない必要性を示して欲しかった。多分意味はあるんだと思います。

 

ここのところ、アフガニスタンの情勢が連日報じられているわけですが、この映画を見たって、その混沌の意味を推し測る助けにはこれっぽっちもならないのは確かです。

従軍した者たちは自分が生きのびるために、或いは仲間を見殺しにしないために必死で戦いました的なアプローチは、ソマリア内戦を題材にした「ブラックホーク・ダウン」の頃からなんにも変わってないんです。

でも、もうそれでは済まない時代が来てるんじゃないのかって思うんです。

 

イーストウッドの息子がビリングトップになっているが、メルギブの息子も出てるんですなあ。どんな役だったか知りませんが、それでも感慨深いもんがある。

 

全滅必至の前線基地に送り込まれてそうなったという顛末を淡々と描いてるだけで批評性は皆無である。兵士たちは自分が生きのびる為に或いは仲間を見殺しにしない為に必死で戦いました的なアプローチは『ブラックホーク・ダウン』の頃から何も変わってない。(cinemascape)

 

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