男の痰壺

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スキャンダル

★★★ 2020年2月23日(日) MOVIXあまがあき5

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【ネタバレです】

3美人勢揃いの女の闘い物語かと思ったら、ちゃうかった。

ロートルのキッドマンが火をつけて、現役バリバリのセロンがなびいて、そこまでは仕方ない展開なのだが、若手のロビーがセロンに「あんたはどうだったのヨ!」って言われてポロリ涙を流して「あったんですう」って拍子抜けだった。

まあ、史実に基づいてるんだから、そこで最若手の彼女が「そんなんぜーんぜーんありません」と権力になびいてのし上がっていく。ってのは無いワケなんです。

でも、それではドラマトゥルギーとしてどうなのよって話で、なーんだかミートゥー万歳の主張の押しつけを感じないでもない。

 

確かに、ジョン・リスゴー演じるCEOのセクハラは限度を超えてるんですが、それでも映画中の場面ではスカートめくってみせろってくらいなもんです。俺は女性にチョッカイかけただけでセクハラって言われる社会に疑問を感じている人間です。だいたいイケメンならセクハラになんなくて脂ぎった中年おやじならセクハラってんだったら差別だ。おんなじ理屈で、部下にきつめに叱咤激励したらパワハラってのも疑問。

 

まあ、ちょっと脱線しましたが、本質的に底浅な問題意識しかない世界で、トランプ政権の誕生とか絡めてジャーナリスティックな視座を導入しようとしてるが、所詮は表層にすぎない。

セロンもキッドマンも好きな女優なのだが、殊更に見せどころが用意されていたようにも思えなかった。

ルパート・マードックを演じていたのがマルコム・マクダウェルだったのをエンドクレジットで知ったが、これには驚いた。

 

3枚看板が揃ったものの互いに連関せぬロクに何もないエピソードが連ねられるだけで皮相的にミートゥーの底浅を露呈する。全ての確執ベクトルは対CEO一方向に限定され、そのリアル表出は執務室でのもっと脚見せろにとどまる。これでは起爆力が余りに不足。(cinemascape)

 

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