★★★ 2019年8月23日(金) 梅田ブルク7シアター1
ぶっちゃけ、このシリーズに興味が無いし、今まで見たのもMAXだったかMEGAだったかの1本だけです。
でも、見てなくても何だか当初のコンセプトから逸脱していってるらしいのはわかる。
ちょうど、007シリーズが身の丈の世界からSFチックな風呂敷おっ広げた世界観に行き着いて収拾がつかなくなったような。
だいたい、ドウェイン・ジョンソンがどうもって感じで、マッチョっていってもホドがあるやろって思うし、映画の中でも諜報員らしい繊細さのかけらもないし頭も悪そうって指摘されてる始末で、思わず仰るとおりって思ってしまった。
ジェイソン・ステイサムも対するキザ路線に乗り切れず、しょせんは同じような強面マッチョ街道に合流してしまう。
そういった2大マッチョが暑苦しくも全篇のべつまくなしに暴れまわってゲップが出そうなのだが、救いは適役のイドリス・エルバで、この人が通り一遍の悪役から半歩ずらした人間味を醸し出すのが見ていてホッとする。
ヒロインのヴァネッサ・カービーも、まあ有り勝ちなキャラではあるが、好ましい安さを惜しげもなく発散させて衒いがありません。
彼女とドウェインの嬉し恥ずかしの青汁めいた関係はいいっすな。
キャラ対照の妙味は瞬く間に失せて2マッチョが全篇暑苦しく暴れ回るだけなので酸欠になりそうだ。そんな中、敵役アルバの微妙な屈託とカービーの絶妙な廉価感が辛うじて風穴を開ける。朴訥ドウェインの嬉し恥ずかし風情がむず痒くも微笑ましい。(cinemascape)