男の痰壺

映画の感想中心です

追悼 山田太一

山田太一が亡くなったことで又ひとつの時代の終焉を思うのだけど、そんな最もらしいこと言って実は「岸辺のアルバム」も「ふぞろいの林檎たち」も見てません。ただ唯一「男たちの旅路」は大好きで見てました。

 

街中のビルの「土曜ドラマ」の電光表示が静謐な夜の静寂に流れたあと、ゴダイゴのクールなテーマ曲が切り込んでくる鮮烈なイメージは今でも脳裏に焼きついてます。

 

毎回、ドラマのテーマはあるのだけど、戦中派で特攻生き残りの鶴田浩二と70年代のノンシャランな空気を発散しまくる水谷豊、桃井かおりの価値観の相剋が全篇を通じて基底にある。そこがたまらない魅力だったと思います。

山田太一もそのコラボレーションを見て第2クールから展開を膨らませていった節があります。つくづく当意即妙の練達を思わせる素晴らしさだった。

 

ご冥福をお祈りします。