男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2003年6月18日)

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

マゾヒズム

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先日、散髪に行った。3800円の近所の親爺の店を捨て、電車で4駅の1500円の店に鞍替えして半年。目が合う度に恨めしげな視線を放っていた親爺も目を合わせてこなくなった今日この頃。紫煙を燻らせて思いに沈む。

身を委ねて人に何かをしてもらうのは何故か快感である。そして、それが1歩間違えれば危険を伴う行為であれば何かが付加され、より深遠なる世界が人を誘うのであろうか?

散髪屋で親爺に髭を剃ってもらう。→剃刀を持つ手が滑って首筋の頚動脈を切り裂かれる。
歯医者で歯垢を取ってもらう。→ドリルを持つ手が滑って歯茎に穴を開けられる。
女房に耳掃除をしてもらう。→耳掻き棒を持つ手が滑って鼓膜を突き破られる。
マッサージのおばさんに腰を踏んでもらう。→脊椎を折られる。

危険に満ち満ちた日常。
疲弊した精神で、それを嬉々として受容する俺はマゾヒズムの深遠を覗こうとしているというのか…。

モーニングモーニング君の朝だよ
モーニングモーニング君の朝だよ

突如、わけもなく脳裏に去来した封印された歌詞。
いかんぞ!奮い立つのだ。自戒せよ。そして、思い出せ!
座右の銘「最後に笑ってやるぜ!」を…。

(注:文中マッサージと耳掃除は遥か彼方の記憶に基づいております。)