男の痰壺

映画の感想中心です

追悼 佐藤忠男

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「世界映画一〇〇選」という本が中学生の頃に買った最初の映画本だったと思う。爾来、9回にわたる引越しでボロボロになりながら、今回の引越しでも持ってきている。

この本では、未だ「僕の村は戦場だった」でしか知られてなかったタルコフスキーの「惑星ソラリス」「アンドレイ・ルブリョフ」や十数年後に日本でも評価が始まるマカヴエイエフの「WR;オルガニズムの神秘」などと同列に「ゲッタウェイ」や「ロイ・ビーン」などがセレクトされているのが大らかで、俺の映画を見る基準の横断的でありたいとの思いは少年期に佐藤忠男の本を繰り返し読むことで形成されたのであります。

まさに師匠でありました。

 

享年91歳。定時制高校を出て国鉄で働きながら投稿を続けて頭角を現し100冊以上の著作をものにした。人生やり切ったんじゃなかろうか。ありがとうございました。