★★★★ 2023年2月9日(木) シネリーブル梅田2
結婚記念日に妻は料理を作って夫の帰りを待っている。夫は早く帰りたいのだが色々なトラブルに遭遇してどんどん帰りが遅れてしまう。
他愛ない内容の13分の短篇コメディで、モノクロ・台詞なし・音楽のみのサウンド版仕様だが、1962年に制作されたことを考えると明らかにサイレント喜劇へのオマージュでしょう。テンポも良くアカデミー短篇賞を獲ったのも宜べなるかなです。
【以下ネタバレです】
ようやっと帰った来た夫の見たものは、待ちくたびれてつまみ食いした挙句グースカ寝てる妻であった。その時のピエール・エテックスの何とも言えない愛のこもった表情。いい締めくくりでした。
キートンやロイドに私淑するエテックスのサイレント喜劇へのオマージュと思われる。ギャグや活劇性はそこそこレベルだがタイトに仕上がってる。てんやわんやの後の帰宅。「女房黙って寝てるが良い」の沁みじみとした静謐と安寧。たまらぬ至福感。(cinemascape)