男の痰壺

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レディ・プレイヤー1

★★★ 2018年4月29日(日) MOVIXあまがさき9
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80年代のサブカルへの郷愁など無い!と言い切る気はないが、俺の見たいもんは、このVR世界には無い。
よって、物語のみが抽出される。
 
格差が更なる拡大を遂げた世界で貧民どもはシコシコとゲームに精出して世知辛い現実を忘れてる。
っていうようなシニカル視線はスピルバーグには無い。
だって、ここに出てくる富裕層ってのは、ヒットゲームのオアシスを作った創業者だけであります。
極めて閉じた世界の話であって、そういう世界では貧民たちは、もはやゲーム内でしか感情の充足はできない。
当然、富裕層を引きずりおろして社会を正そう!…なんて発想は封殺される。
 
この創業者ハリデーは巷間言われてるようにスピルバーグ自身を仮託しているのだろう。
彼には、もちろん、悪意なんざこれっぽっちもありません。
ただただ、おもしろいゲーム(=映画)を作って大衆の愉悦に寄与したい。
その1点で曇りなし。
 
ですが…実に能天気であります。
 
1つめの鍵のマリオカートみたいなビジュアル。
2つ目の「シャイニング」
ともに面白かったが、3つ目の切ない恋心。
俺としては、ここをもっとちゃんと見たかった。
 
貧民層が揃ってVRゲームに打ち興じ富裕層のシナリオに従順であるということは薬を打たれ売春するのと変わりないってことは善良なスピルバーグは考えもしない。興じさせる手を全身全霊で構築する。でも結局デジタルでない第3の想いこそが最も胸を打つ。(cinemascape)