男の痰壺

映画の感想中心です

2017-12-23から1日間の記事一覧

リアル鬼ごっこ

★★★ 2015年7月19日(日) 大阪ステーションシティシネマ4 『自殺サークル』サイド園子温の結晶形で全篇5割以上をドローン撮影に依ると思しき実験の遣り放題も概ね好感。悪夢のような不条理展開が続くが言わずもがなの終盤は蛇足だし純度を低める。特筆はト…

家族の肖像

★★★ 1979年6月3日(日) 大毎地下劇場 『テオレマ』倒置形のような設定だが悠々自適引き籠り老人に対しての共感がヴィスコンティに内在する以上ドラマ性も緩くなる。『勇者』なみの更なる悪意と過激が欲しいところだし屋内美術に魅力が無いので『ベニス』のよ…

熱砂の秘密

★★★★ 2017年12月16日(土) プラネットスタジオプラス1 ビリー・ワイルダーの初期作だが、ほとんど言及されていない作品と思う。 でも、すごく良い出来だった。 何といっても脚本が秀でており、全く緩まない。 ルビッチ直系の共闘者チャールズ・ブラケット…

ホーンズ 容疑者と告白の角

★★★★ 2015年8月11日(火) 新世界国際劇場 ブラックコメディ的体裁だが、そのシニカルで人間不信の塊みたいな展開の果てから俄かに沸き上がった純正ロマンティシズムに不意打ちされる。出色の構成だし細部のギャグも冴えている。越境の果ての終盤の呵責の無…

あゝ野麦峠

★★★ 1979年7月15日(日) 伊丹グリーン劇場 女工哀史的な情緒がだだ漏れる被虐もあるが一方で優良工女の争いがしのぶVS美枝子の両極激突に表象されるのが骨太で女性讃歌へと接続される。製糸工場のセットは健闘だが美学的昇華には至らぬがストーリーテラー薩…

★★★ 2017年12月9日(土) シネリーブル梅田4 ある意味、問題作である。 なんじゃこりゃという腑抜けた部分と、めっちゃ力入った部分が混在する。 何故こいつ等がこうなったかっていう釈明は一切ない。 だから、クソ人間となった現状だけが提示される。 そん…

TOMORROW 明日

★★★★ 2015年8月23日(日) シネヌーヴォ 定められた結末へ向かい刻まれる時間を煽情的にフィーチャーすることない黒木の良識を良しとしつつ、だが尚コンセプトは明け透けだ。しかし、それでも気持ちが締め付けられるのは進行するドラマの慎まし過ぎる希望。…

野生の証明

★★★ 1979年4月2日(金) 伊丹ローズ劇場 ひろ子にガン無視されて不憫でさえある健さんだが斧振り回し脳天叩き割る蛮性と寡黙な礼節とのアンビバレンツが笑える。自衛隊特殊部隊と地方都市のフィクサーと予知能力を持つ少女…出鱈目で過剰で魅力的な設定だが全て…

ハネムーン・キラーズ

★★★★ 2017年12月16日(土) 新世界国際劇場 犯行に及ぶ際、心地よいくらいに感情的な足跡は全く描かれないし究明しようともしてない。 迷いとか躊躇とか罪悪感とか、そういうものだが、かといって冷酷を強調しようとの意図もなさそう。 シークェンスからシー…