男の痰壺

映画の感想中心です

2018-01-08から1日間の記事一覧

海にかかる霧

★★★ 2015年8月11日(火) 新世界国際劇場 序盤の荒んだ状況描写や船内の美術など重厚である。ただ前半の衝撃的展開を過ぎてしまうと、後はありがちな展開を消費するだけ。顛末を中盤以降に置き加速的に狂気の蔓延を描いた方が良かった。過度に情緒的である必…

鬼火

★★★★★ 1979年2月18日(日) 大毎地下劇場 1980年8月3日(日) SABホール 強固なまでに内省的で文学臭ふんぷんたる出来だが、惚れ惚れするくらいに堂に入ってる。トーマス・マン「魔の山」めいたサナトリウムの似非会話の空疎。クロケのモノクロームの艶とサテ…

キングスマン ゴールデン・サークル

★★★ 2018年1月8日(月) 梅田ブルク7シアター3 アクションがCGまみれなのは、前作でも大概ゲンナリしていたのだが…。 今作は開巻からやってくれはりますなあ。 …とことんまみれてます。 キャストがなかなか食指をそそる。 ジュリアン・ムーア、チャニング…

サイの季節

★★★ 2015年7月25日(土) シネリーブル梅田4 真摯な想いは確かなのだろうが内省的に気取った技法を弄するよりも、もっと成振り構わぬ愛する者への本気を見せろと思えるのだ。亀は『マグノリア』の、終盤の顛末はミンリャン・チャヌク映画の2番煎じ。サイの…

チェイサー

★★ 1979年3月16日(金) 伊丹グリーン劇場 混み入った展開に拮抗し得る演出力の不在が御用監督ではいた仕方ないと思わせるが、かのドカエ翁を起用しての余りに凡庸なフォトグラフィと何の感慨も無きロネ客演が相まり往年の世界を転倒させる気概に比し皮相的に…

婚期

★★★★★ 2018年1月7日(日) シネヌーヴォ 嫁と小姑の間の軋轢という小さな世界が取り上げられる。 しかし、否応なしに映画は拡張して周囲の世界も取り上げてしまう。 その意図せざる、多くの些末な出来事の豊穣なことといったらない。 船越英二の亭主であるが…