男の痰壺

映画の感想中心です

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

グランド・ホテル

★★★★★ 2019年8月4日(日) プラネットスタジオプラス1 今ではあたりまえのように使われる作劇の骨法、「グランドホテル形式」の語源となった、いわば始祖である。 始祖っていうのは往々にして、そのトピックだけが形骸として残り作品的価値は劣化してるもの…

奪命金

★★★★ 2013年12月21日(土) トビタシネマ 小粋な3題話を語るにメルヘン世界から降り地に足つく俗世に塗れる覚悟を垣間見せたジョニー・トーに好感を持つ。特に投信販売員デニス・ホーの挿話が切実で、他の刑事・ヤクザの絡み話のルーチン陥穽に楔効果をもた…

サイレント・フルート

★★ 1981年8月2日(日) トビタOS劇場 やたら神妙に哲学ぶっちゃってるんだけど、所詮キャラダイン程度の野郎では本物の殺陣が見れるわけじゃなく、大体東洋へのリスペクトがあるなら毛唐ばっかりででっちあげる代物ではなっかったのである。草葉の陰でマック…

アマンダと僕

★★★★ 2019年7月29日(木) シネリーブル梅田3 アマンダが如何にもな子役めいた可愛いさないのがまず良い。 こどもってのは、大人からみたら何考えてるのかわかんないところがあるし、ときに聞き分けなく自我をモーレツに押し通そうとするもんだ。 であるか…

かぐや姫の物語

★★★ 2013年12月14日(土) 大阪ステーションシティシネマ10 ずっと『ハイジ』がチラつく。都はフランクフルトで相模はロッテンマイヤーだ。不毛な月世界対比の現世のエコ賛歌は『狸合戦』。成程高畑の集大成かもだが、ならば少女のリリシズムをこそ全面開…

アモーレの鐘

★ 1981年10月16日(金) 伊丹ローズ劇場 信州の美しい風景さえあれば物語はどうでもいいとでも思ったのだろうか。芸が無いとか、そういう次元を超越したこの虚無感は言いようによっては凄いとも言える。それを唐変木マネキンめいた2人の主人公が助長する様は…

リラの門

★★★ 2019年7月29日(月) シネリーブル梅田4 ルネ・クレール晩年の作品だが、なんやろか、ついていけんなと思った。 ろくでなし男の善意と、それを裏切る現実なのではあるが、その仮借ない描き方がサディスティックであるし、それを一方で尊きもののように…