男の痰壺

映画の感想中心です

あの子を探して

★★★★★ 2000年7月29日(土) 梅田ガーデンシネマ2

ド素人ばかりを使い、わけても主演の女の子の見目麗しくもなく性格悪そうなのがイタリアン・ネオリアリズモな伝統をに立脚してると思うそばから、フランス映画的小粋なエスプリも出してくる。あらゆる映画史に敬意をはらう藝謀の立ち位置の奇跡の理想形。(cinemascape)

 

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ビフォア・ザ・レイン

★★★ 1996年7月20日(土) 徳山市市民館小ホール

挿話は人の死で綴じられるのだが、民族悲劇の構造を浮かび上がらせるには至らない。トリッキーであることは構わないのであろうが、マケドニアとロンドンを往還する構成が何故に必要なのか。そのへんがどうにもピンと来ないのだ。(cinemascape)

 

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白い風船

★★★★★ 1996年8月10日(土) 岩国勤労者総合福祉センター

年の瀬に設定された映画内時制が焦燥感を煽るように見えても、予想外に大人の世界と五分に対峙する少女のしたたかさに悲壮感はさほと無い。そして、語られてきた取り巻く世界が一瞬転倒したかの如きラストの締めくくり方。クールすぎるまでのシニカルさだ。(cinemascape)

 

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千里眼

★★ 2000年6月24日(土) 天六ユウラク

冒頭の米軍との遣り取りの子供じみた描写で気が滅入り、その後の展開の安直さにも辟易。要するに実体験を伴わないメディアガキの戯れ言の羅列に過ぎない。水野美紀のワイヤーアクションは寧ろ封印さえして欲しい。こいつには手に余る。(cinemascape)

 

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陽のあたる教室

★★★★ 1996年6月30日(日) 徳山国際シネマ

デジタル時代にアナログ骨董品を見た気がした。ベトナム第2次大戦に置き換えればこんな映画は何本もあったような気がする。そつが無さすぎるし時代推移の表現などまるっきり紙芝居だが、愚直な素直さに素直に好感を持った。(cinemascape)

 

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人狼 JIN-ROH

★★★★★ 2000年7月20日(木) テアトル梅田1

設定を近未来ではなくパラレルな昭和30年代にしたのが冴えている。本来の日本に有ろうべくないハードな世界観が郷愁の既視感と錯綜して生じる二重三重のアンビバレンツ。終盤のアクションの切れも痺れる達成度。何が押井的か否かなんてどうでもいい。(cinemascape)

 

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スーパーの女

★★★★ 1996年7月10日(水) テアトル徳山Ⅲ

引きの絵を放棄したかの如きテレビっぽさや揃いも揃ったB級キャスティングを含めて透徹されたコンセプトが貫かれている。『マルサ』以降テレビ語りに堕した伊丹演出の極北であり、その意味で完成形として認めざるを得ない。(cinemascape)

 

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