★★★★ 2020年9月12日(土) シネリーブル梅田1
イケてない女子高生2人が、卒業式の前日、最後だからハッチャケちゃおうとする話で、そうなると展開は自ずと見えているように思える。
しかし、主演の2人が適度に肥えていたり、適度に性根曲がってそうに見えて、可愛い子がメガネとかでブスのふりするのと違い本当にイタい感じがして、限りなく好感度が低い。
前半、意を決した2人が目当てのイケてる連中のパーティーに行こうとするが何やかんやで別のパーティーに行ってしまう。その展開が、ギャグもすべりまくりだしどうにも救われない。こりゃあかんわ、俺ノレそうにないかもと思いかけた。
だが、目当てのパーティーに何とか行き着くことができてからは彼女たちは前向きモードに舵を切る。映画は俄然盛り返してきます。
意中の人へのアタックとW撃沈、そして新たな出会いと王道のパターン。
特筆すべきは2点。
いけすかない奴らと見られていたはずの2人だが、パーティーでは受け入れられる。よおー!お2人さんいらっしゃーいってな感じ。
主演2人の片方がレズビアンなのだが、このことに関して周囲は当たり前に受け止めている。
偏見と排他が罷り通る我が国ニッポンと違い、多民族国家であることは、そんなくだらんことやってるヒマを許さない。
勿論、現実はそこまではいってないだろう。しかし、ここ数年のアメリカの非メジャー映画は意識してこういう世界を当たり前にある世界として描出しようとしてるようだ。昨年公開の「スケート・キッチン」や「ブラインドスポッティング」、今年公開の「mid90s」のように。
終局では、2人のイケスカなさは綺麗に払拭され、弾けるような輝きを纏っておりました。
落として上げるの反復はジャンル規定の展開と帰結へ向かうわけだが、全体を通して肌色や性嗜好が混濁したコミュニティを現出させている。そこではイケすかない姉ちゃん2人も受け入れられスカした鎧を脱いで心を曝け出すのだ。その先にしか理解は育まれない。(cinemascape)