男の痰壺

映画の感想中心です

死刑にいたる病

★★★★ 2022年5月8日(日) MOVIXあまがさき8

題材としては新鮮味ゼロなんですけど、阿部サダヲという演者と演出の白石和彌の持てる力量がっぷり四つの感があって見せ切ってしまう。力のある者同士の四つ相撲はやっぱ見応えあるなと思いました。

 

収監されたシリアルキラーと新たな事件の糸口を探る者との対峙といえば、まんま「羊たちの沈黙」めくのであるが、あの映画の場合、精神分析的に高次な攪拌と操舵が行われるのに対し、本作では結局理に落ちるトラップであったというのがやっぱ比較してしまうと引けを取る。しかし、越え難い頂に対して十二分に戦ってると思います。

 

バイオレントな描写の呵責なさに於いて老化した三池のポジションを埋めてる感のある白石和彌だが、この題材をどうしてもやる必要あったのかの疑問は残るんですが。

 

羊たちの沈黙』底浅バージョンめいてるが揺るがない徹底悪な本質が露呈する様は骨太だと言える。居場所のない男が存在証明を希求する展開も筋が通り腑に落ちる。演出白石と演者阿部の再タッグは実力者同士のがっぷり四つの趣きがあり力相撲を堪能。(cinemascape)

 

 

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