男の痰壺

映画の感想中心です

黒い河

★★★ 2017年7月17日(月) シネヌーヴォ
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けっこう振り切れてる話なのだが、枝葉末節が多すぎてぼけてるのが惜しい。
 
主人公の清純なウェイトレス(有馬稲子)が2段階の変貌を遂げる。
仲代達矢のチンピラに目をつけられ強姦まがいに犯されるのだが、やむなく彼の情婦になる。
戦後間もないころの話だとしても、警察に訴えることもなく転んでしまうのだ。
 
好きでもない男の情婦となって心が荒んでいくのだが、有馬稲子のこういうやさぐれ演技は絶品。
そして、更に彼女は変貌を遂げるのであった…。
 
女の業とでもいうべきドラマなのだが、この話は、本流ではない。
真面目学生、渡辺文雄の住むボロアパートの住人と、そこを地上げしようとする仲代らの話がメイン。
出っ歯メイクの山田五十鈴の因業大家。
宮口精二の左翼韓国人の台詞回しの闊達。
ほぼスリップ姿の淡路恵子のエロス。
見どころは多いんだが…「結」が無いのだ。
 
仕方ないから、有馬の話にケツを拭かせてる。
 

有馬の虚無表現が堂に入り彼女中心の展開と見れば結構に振り切れてるのだが、ボロ長屋の面々の悲喜交々が交錯して軸がボケる。出歯メイクの山田や宮口の台詞廻しや淡路のエロス。見処は多いが「結」が無いのでラストは無理矢理感が漂う。(cinemascape)