男の痰壺

映画の感想中心です

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

月夜釜合戦

★★★★ 2018年5月6日(日) シネヌーヴォ 上映が始まり、16ミリフィルムの質感もだが、フィルム傷に堪らない郷愁を覚える。 朝の釜ヶ崎をチャリで走る主人公の女性を延々長回しで追う。 その、「場」の空気がダイレクトに伝わる臨場感はフィルムならではだと…

わが友イワン・ラプシン

★★★ 2015年4月21日(火) シネヌーヴォ 一体何を描きたく何が描かれてるのか判別しかねる状況が続いていくが、中盤の逮捕騒動あたりから終盤にかけ侘しい日々の中にもあったであろう詩情のようなものが追憶の彼方から浮かびあがる。ミハルコフのような楽隊列…

ランニング

★★★ 980年10月26日(日) 伊丹グリーン劇場 『ロッキー』後付企画丸出しなのだが、うだつのあがらぬ人生を丁寧に淡々と描いた前半に限れば結構良い味わい。しかし、ローバジェッドなのにオリンピックという大風呂敷を広げた後半は一気に嘘臭くなり話も予定調和…

レディ・プレイヤー1

★★★ 2018年4月29日(日) MOVIXあまがさき9 80年代のサブカルへの郷愁など無い!と言い切る気はないが、俺の見たいもんは、このVR世界には無い。 よって、物語のみが抽出される。 格差が更なる拡大を遂げた世界で貧民どもはシコシコとゲームに精出…

インヒアレント・ヴァイス

★★★ 2015年4月21日(火) シネリーブル梅田3 ウィルソン登壇辺りから流れを見失い気が付けば終盤だった。そういう迷宮世界の混沌に酩酊する物語だとしても、キャストの鮮度落ちの熟成が足りなく生腐りで旨み成分が出てない。天使のようなキャサリンちゃん再…

恋人よ帰れ!わが胸に

★★★★ 1980年9月27日(土) 毎日文化ホール 訴訟を巡るドタバタもシュールなパロディを織り交ぜ冴えてはいるが、女房に逃げられたジャック・レモンの独壇場とも言える切ないまでの哀感と侘びしさ。マッソーとのやりとりは巷間言われる凸凹コンビではなく高度な…

いぬやしき

★★★ 2018年5月1日(火) TOHOシネマズ梅田10 佐藤信介の映画は初期の「修羅雪姫」と直近の「アイアムアヒーロー」しか見ていない。 だが、そのアクション演出はシャープでキレがあると思っている。 で、本作であるが、悪いが物語の構築をてんで考えて…

セッション

★★★★ 2015年4月27日(月) TOHOシネマズ梅田7 父親や恋人との関係性が放っぽられる腑に落ちなさが3転するクライマックスの怒涛の感情振幅に上塗りされまあええかとなる勢いは好ましい。理不尽な恫喝の釣瓶打ちにズル剥け指を絆創膏で抑えて尚飛び散る血飛…

遙かなる山の呼び声

★★★★★ 1980年10月28日(火) 伊丹ローズ劇場 1981年2月24日(火) 伊丹ローズ劇場 今更の『シェーン』焼き直しであるとか、安易な字幕使用やズーム用途の拙劣さを悉く吹き飛ばす親子の日常を描いた部分のリアリティある切り込み。病院屋上での倍賞と吉岡の会話に…

15時17分、パリ行き

★★★★ 2018年4月18日(水) 大阪ステーションシティシネマ9 最近のイーストウッドにそれほど食指が動かないので見る気もしなかった。 が、阿部和重だったかがオリヴェイラに例えてるコメントを見て終映ギリでた。 なるほど、これは無為な欧州そぞろ歩きの趣…