★★★ 2019年10月30日(水) 大阪ステーションシティシネマ7
そんなに期待してたわけでもない。
で、期待通りに普通だった。
AIが飛躍的に発達し何かと人口に膾炙する今だからこそ、この程度の旧態な機械に人間が支配されるみたいな話では普通すぎるんやなかろか。
主人公の女房が無残にも殺される。
そいつは言う「あんたらみたいなセレブは俺たちみたいな貧者のことなんか考えもしないやろう」と。
またぞろ格差ネタかと思ったら、こいつら人体次改造で殺戮マシーン化した軍人あがりの連中だった。そうすると。格差ネタは単に観客をミスリードするためで、それはええけど、物語内で整合しないことやっちゃダメっすな。どっちらけます。
この、AI、なんかええやっちゃなあって感じで主人公に耳内で話しかける。
しかし、しょせんAIであるから、人の殺し方に容赦がない。このへんがグロくていけてる。ってどっかで見たよなって老化脳をしぼって考えて思い当りました。
まんま「寄生獣」やんか。
当たらずとも遠からじじゃないでしょうか。
随所で走る主人公を正面から撮るさいに人体固定カメラで撮っていると思われる。
これも、塚本の「鉄男」を想起させる。
ああ、ってことは、そうかやっぱり、万歳クールジャパン映画だったんですな。
ほんまかいな。
ミスリードを誘う為の枝葉が本筋に整合しない甘さもあるが、『寄生獣』めいたAIとの共棲関係と暴走するゴアな殺戮が操りロボめいた体技と相まり剣呑。走りの描写が『鉄男』みたいな身体固定カメラで人に非ずを表するを含めジャパネスクへの傾倒が伺える。(cinemascape)