男の痰壺

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恐竜が教えてくれたこと

★★★★ 2020年6月17日(水) シネリーブル梅田1

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なんやねんと思いました。邦題が。

化石好きのマニアック小僧のしよーもない話かと思ってしまいそう。

原題は「テスとの普通じゃない夏」

テスってのは女の子の名前で、まあ、言うなれば、この映画は避暑地での純正ボーイミーツガールもんです。

 

少年少女の年齢設定がいい。

たぶん、小学校5、6年生くらいで、性意識がギラギラに開花するチューボー未満で、だが女の子は胸が膨らみかけてたりする。実に宙ぶらりんの過渡期なのだが、見てる分には安心。

そのへん親の気持ちで見てるのかもしれませんなあ。

 

2人が走ったり自転車に乗ったりのシーンが再三でてきて、田園とか丘陵とかをがむしゃらに走る。その疾走感がたまらなく気持ちいい。

 

少年の家族もバカ明るい父親と精神疾患ぎみのダウナー母と強権的兄貴と通り一遍とは違うが、それでもありがちパターンだ。リアリティがあると思う。

 

テスとばっかりいる少年に、せっかく家族旅行来たんやから家族といなさいとの厳命だが、それでもやっぱり彼女の一大事に男としてはやらねばならないことがある、止めてくれるなおっかさん。とまあ、かようにして少年の自我は確立されるのであった。

 

万事うまくおさまったラスト。一同会してのパーティーで親父もお袋もノリノリで踊ってる。兄貴にも彼女ができました。

美しい収束である。

 

少年のひねた終末観は少女の登場で放逐されるが、未だ性への意識が発現する前のこの頃、騎士道精神にのっとり親に背いてでも直走る。結果、上手くいって父ちゃん母ちゃんもハッピーめでたいなである。2人が駆け足で自転車で田園を丘陵を疾走する。清々しい。(cinemascape)

 

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