男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2008年12月9日 (火))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

ハケンの夕暮れ

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派遣切りがスパイラルな加速度で世の中を席巻している。
何とかしろの一点張りの論調が跋扈している。
規制緩和が悪の元凶のように言われている。

年の暮れに寮を追い出され寒空に薄い財布で路頭に迷う人は大変だろう。
いくら正社員で求職しても、とどのつまり派遣でしか仕事はなかったのかもしれん。

しかし、この問題は、俺には釈然としない。
何故なら、10年前に「ハケン」的ライフスタイルに擦り寄ったのは他ならぬ労働者じゃなかったのか?…と思うから。
「束縛されない自由さ」や「いつでも辞めれる気楽さ」や「趣味を優先させたい生き方」や「借り物のクール」や「仮の人生という言い訳」や…。
働き蜂的昭和世代の生き方を否定する格好のライフデザインがそこにありそうに思えたのじゃなかったのか。

掃き溜めの中で生ゴミの汁を吸って毒花を咲かす淫花のような人材派遣会社の乱立ぶり。
ピンキリがあるにせよ、そこに働く奴らの顔つきは総じて下卑ている。
そんな奴らに公然とピンハネされても尻尾を振ったのは誰だったのか。

今回の状態が何時終息するのかは知らんが、教訓を得るべきであろう。
かつて言われた「ハケン」というライフスタイルは幻想であり、今後何があっても「派遣」という条件では働かないと決意すべきで、「派遣会社」という極道には何があっても近づてはいけないということ。
応じる者がいなければ制度は成立しないのだから。

しんどいの我慢すれば仕事は幾らでもある。
いやなら死んだらいいよ。