男の痰壺

映画の感想中心です

映画年間概観 2005

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2005年を映画で回顧する


運命論とか占いの類とかは信じたくもないが、一種のバイオリズムというのは間違いなくあると思う。
上がり続ける株価は有り得なく、増え続ける人口も有り得ないわけで、どこかで下降局面に移行する。
問題は下降局面を終結させる努力や方途をしくじれば、会社は潰れ株券の価値は0になり、人口が減り続けた国家は消滅するだろう。

俺達は、そういう波動にもまれながら山を如何に高く登り谷に落ちるのを如何に浅く済ませるかを日々足掻き続けながら模索し続けるだけなのだ。

 

2005年は俺のバイオリズム上最悪期の1段階前のような気がする。
と言うことは2006年には更なる苦境が待っていることになる。
仕方が無い。生きることを放棄するわけにはいかないから…。

 

てなわけで今年、映画館で観た映画は48本。
2002年に年間180本を数えたこと思うと僅か3年で隔世の感を覚える。

例年に習って我がシネスケに於ける自己評価★5と★4を新旧問わずに鑑賞順でピックアップすると
★★★★★
『Mr.インクレディブル』『オアシス』『エターナル・サンシャイン』『妖怪大戦争
★★★★
パッチギ!』『犬猫』『恍惚』『ボーン・スプレマシー』『男はつらいよ 寅次郎物語』『ぼくんち』『オールド・ボーイ』『ハウルの動く城』『カンフーハッスル』『ミリオンダラー・ベイビー』『リベリオン』『ハサミ男』『メリンダとメリンダ』『炎のレクイエム』『スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐』『ヴェラ・ドレイク』『甘い人生』『リンダリンダリンダ』『運命じゃない人』『シン・シティ』『ザ・グリード

本年公開作の主要作品の90%を見逃したと断言できるのでベスト10はおこがましい。特に邦画の★5が『妖怪大戦争』のみとは我ながらトホホだと思う。
ただ、三池監督の作品を断続的にせよ観てきていれば、彼が時に「物語」を本気で語る気がないのは端からわかってる。『DOA』の地球壊滅や『烈火』のビル爆破を見れば明らかで、戦略的と言う言説も聞くが俺には、おざなりで無責任としか思えない。ただ、一種の諧謔志向も感じるので、ヘタに真面目に向き合うのも野暮なような気もするし、もっと言えば好きなような気もする。
ゼブラーマン』でそれが一種の高みに達したのを感じ、今回は、それが集大成的に開花したのではなかろうか…と思う。そういう意味で★5にした。

洋画の3本は甲乙付け難く思ったが敢えて1本なら『エターナル・サンシャイン』を選ぶ。他の2本より奇矯に見えても普遍的題材であるし懐古的ロマンティシズムがバックボーンにあるのが琴線に触れたからだ。

映画秘宝」的カルト評価定着作の『リベリオン』や『ザ・グリード』を拾えたのも嬉しかった。最早、DVDでしか観れないであろう、こういう作品を飽かずスクリーンにかけ続ける大阪の新世界や飛田の映画館は正に俺には「秘宝」である。
男はつらいよ』も48作中の41作目をスクリーンで鑑賞した。死ぬまでに絶対全作を映画館で観てやるつもりだ。
2005年12月23日 (金)