男の痰壺

映画の感想中心です

★★★★ 2002年10月19日(土) 扇町ミュージアムスクエア

夢も希望も無くても人は喰い寝て排尿し性交する、その様が哀しく侘びしい。相変わらずの閉塞感と孤独感の世界だが序盤の展開はフェリーニやアントニオーニを彷彿とさせる虚無感満載。それだけにギリシャ悲劇めいた後半が著しくバランスを崩した。(cinemascape)

 

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ストーリービル 秘められた街

★★ 1993年4月4日(日) 新世界国際劇場

古い因襲に囚われる地方都市を舞台に繰り広げられる出来損ないの横溝正史米国版。リンチのような偏執描写に突出するわけでもなく、ストーリーテリングに長けるわけでもない。そもそもに真っ当な骨子があるとも思えぬ展開。勘違いな凡庸は始末に悪い。(cinemascape)

 

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団地妻 昼下りの情事

★★★ 2002年9月26日(木)~27日(金) 東梅田日活

ロマンポルノの原点というよりテレビの昼メロやサスペンス劇場の原点のような気がした。そういうオーソドックスな王道の風格があるし、日活の底力を感じさせる撮影と美術。何より一見老け顔な白川和子のミニスカート姿のアンビバレンツがたまりません。(cinemascape)

 

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天国は待ってくれる

★★★★ 1993年4月11日(日) みなみ会館

道楽を重ねて女房を泣かせても夫婦が共に歩んだ積み重なる歳月はエゴを浄化し全ては許容されるという男の願望話でもあるし理想の女性像の具現化でもある。都合良すぎの疑義は余りに闊達な語り口と余りに美しいカラーにより寓話化された世界で雲散霧消する。(cinemascape)

 

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浮き雲

★★★★ 2002年10月22日(火) 扇町ミュージアムスクエア

こういう毒を廃したオーソドックスな物語を志向せざるを得ないところにカウリスマキの転回というより限界を感じた。50年代アメリカ映画を明らかに意識した序盤は巧すぎてかえって作為的だ。それでも煙草で決めた鮮やか過ぎるラストには確かにやられた。(cinemascape)

 

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