男の痰壺

映画の感想中心です

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

さらば箱舟

★★★★★ 1991年6月9日(日) 毎日文化ホール 津軽から沖縄へと飛翔した舞台は同一モチーフをリプレイし続けた寺山の表現方法に於ける閉塞世界からの解放を感じさせた。モチーフは変わらないが多くのトリッキーな仕掛けを散りばめた伝承譚的な味付けの一大叙事詩…

ポイント45

★★★★ 2007年8月25日(土) トビタシネマ 唾棄すべき最低のDV野郎ではなく男は誰に対してもサイテーな野郎だった。そこがまだしも女の心情の納得性の担保。グダグダの男と女の腐れ縁はミラのペチャパイの哀切さに補完され見応えがある。ただ、どうにも終盤…

フェリーニ サテリコン日誌

★★ 1991年6月23日(日) みなみ会館 フェリーニに対する無邪気な憧憬があって、奇矯で馬鹿でかいセットが幾つもあって、珍奇な扮装の人々があちこちに居る。そこでカメラを回せば何某かのものになるのであって、『サテリコン』という巨大な怪物を解き明かそう…

孤豚の糞 LEVEL100 来るべき日本の終わりと始まり

自民党総裁選はドタバタの末に「決められない男」を選んで終わった。フィクサーたちの暗躍を人々は憂うのであったが、党内でそれに代わる実力と覇気と民衆の後ろ盾を持つ後継者が育ってなかったことを露呈しただけであった。 何も決められない岸田政権は1年…

ニール・ブロムカンプ Neill Blomkamp

生年:1979/09/17 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

フランシス・ローレンス Francis Lawrence

生年:1971/03/26 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

トランスフォーマー

★★★★ 2007年8月25日(土) 梅田ブルク7シアター2 又かの侵略ものかと思えば序盤で馬鹿に転倒し最後まで馬鹿を押し通したところはマイケル・ベイの虚飾なき到達点とさえ思えた。合体ロボ同士が語り合う様にキッチュを感じ、ラストに至っては極北をさえ感じ…

ドラッグストア・カウボーイ

★★★★ 1991年6月9日(日) トビタシネマ 手垢の付いた題材だとしても、大上段な視点から破滅的にしか描かれてこなかったトリップイメージが優しさに充ちた至福の世界として描かれる点にコペルニクス的衝撃をおぼえた。気取りの無い日常を同一線上から捉えた視線…

ギルダ

★★★ 2007年9月8日(土) OS名画座 『カサブランカ』の裏返しとしてグレン・フォードの冷徹さに惹かれかけたかに思えたが、ちゃうのんかい。2人の真情吐露を垣間見せずに強引に引っ張る構成の弱さを2回に及ぶリタの名曲で何とか補完するという歪な出来具…

ミヒャエル・ハネケ Michael Haneke

生年:1942/03/23 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

ロバート・バトラー Robert Butler

生年:1927/11/16 kenironkun.hatenablog.com

モンタナの目撃者

★★★ 2021年9月20日(月) 大阪ステーションシティシネマ6 アンジー苦手なんですが、それでもこの映画はアンジーVS殺し屋2人の図式に収斂されるのが座りが良いと思われるんです。その為には別途に殺し屋を追う保安官がアンジーに合流して共闘するのが定石…

羊たちの沈黙

★★★★★ 1991年7月4日(木) 梅田ピカデリー2 追う者と追われる者のキャラ創造や事件の細部に腐心してきた数多のクライムサスペンスの歴史をコペルニクス的に転回させた対立軸のズレは物語後方の主人公のトラウマを抽出し前面に立てる。なのに、バラけるかに思…

墨攻

★★★ 2007年8月25日(土) トビタシネマ アクロバティックな攻防戦を排したのは好感を持ったが、そもそも非戦を説くべき墨家が戦争プロとしての戦略に長けてるアンビバレンツを強固に描かないので、どこか視点が定まらない。終盤は安直なヒロイズムに流された…

レナードの朝

★★★★ 1991年7月7日(日) 祇園会館 2人の役者の演技は各々の芸風を誇示するのみで相乗効果とまでは言いがたいし、展開も余りに平易なのだが、この映画を包む女性監督らしい慈愛に充ちた優しさには素直に打たれる。やっぱり女は優しさが無いといかんと思う。(c…

成瀬巳喜男 Mikio Naruse

生年:1905/08/20没年:1969/07/02 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com…

ピーター・スピエリッグ Peter Spierig

生年:1976/04/29 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

センチュリアン

★★★★ 2021年9月19日(日) プラネットプラスワン 師曰く「フライシャーの最高作はこれや!」 そう言われても内心フライシャーなんぼのもんやねんと思う俺はふーんくらいにしか思えないのであった。まあ、しかし今年見た「マンディンゴ」は確かに弩級の傑作で…

エイリアン VS ヴァネッサ・パラディ

★★★★ 2007年9月29日(土) 新世界国際劇場 小汚い集落のこれ以上なく小汚い男どもの間を舞うヴァネッサだけでも価値はあるが、何ものをも一切語ろうとしない演出には『マーズ・アタック!』が本来行くべきであった地平を見た。ショボいが強固なコンセプトが…

運命の逆転

★★★ 1991年6月9日(日) トビタシネマ さしずめ、日本だと清張原作、野村芳太郎監督作みたいなもの。胡散臭さに於いて当代随一とも言うべきアイアンズとクローズの充実演技と米ブルジョワの生活の丹念な描写の珍しさが見所。しかし、モデル存命中で結論付け出…

ショートバス

★★★★ 2007年9月8日(土) テアトル梅田2 こいつらには愛とSEXしか無いのかというミニマムな閉塞感を思うが、60年代フラワームーヴの復刻かと思える懐古趣味を色濃く滲ませたJ・C・ミッチェルには矢張り心を射られる。ハードな描写の連続に嫌悪感を感…

スサンネ・ビア Susanne Bier

生年:1960/04/15 kenironkun.hatenablog.com

ダリル・デューク Daryl Duke

生年:1929/03/08没年:2006/10/21 kenironkun.hatenablog.com

子供はわかってあげない

★★★★ 2021年9月6日(月) テアトル梅田1 何が良いって萌歌ちゃんの伸び伸びした肢体が心ゆくまで健康に躍動する様が本当に良く、もし俺にこんな年頃の娘がいたとして、このような作品に巡り会えたなら、天を仰ぎ悶絶しながら幸せを噛み締めるだろう。 校舎…

華岡青洲の妻

★★★★ 1991年7月27日(土) みなみ会館 嫉妬と自己犠牲がスパイラルに昇華し某かの崇高さを獲得するドラマトゥルギーに於いて増村は有吉に勝てない。だが、その葛藤に躊躇しつつも希求は別ベクトルな雷蔵のスタンスの微妙。そこに同期する生理こそ納得もの。小…

デス・プルーフ in グラインドハウス

★★★★ 2007年9月8日(土) OS劇場 70年代BC級映画の技巧を凝らしてのトレースもいいが、濃厚な限定空間で「スタントマン」の異常な偏執を抽出した前段を、バッサリ切った後段。タランティーノの秀でた点は矢張り構成なのだと改めて思った。爆笑のラスト…

青春群像

★★★ 1991年6月23日(日) みなみ会館 仏ヌーヴェルバーグの形而上的モラトリアムと違い、リアリズムに自堕落なだけでしんどい。フェリーニの後に見られる誇張趣味も未だ無く起伏が無い展開は単調ですらある。『アメグラ』とコンセプトは同じだが、突き放し方が…

ジャン・ヴィゴ Jean Vigo

生年:1905/04/26没年:1934/10/05 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

ジェームズ・ゴールドストーン James Goldstone

生年:1931/06/08没年:1999/11/05 kenironkun.hatenablog.com

ブラッド・ダイヤモンド

★★★★ 2007年9月29日(土) トビタシネマ 相反する利害を持つ3人のベクトルが収斂されてゆく後半の展開がオーソドックスではあるが肉厚な状況描写に支えられてカタルシスを産む。ロマンティシズムの芳香さえ感じた。メッセージは陳腐で単純だが、それが幸い…