男の痰壺

映画の感想中心です

2021-01-01から1年間の記事一覧

馬鹿が戦車でやって来る

★★★ 1992年8月29日(土) サンポードアップルシアター 小さな悪意の総和が加虐のマスエネルギーへと変質する閉鎖集団の暴走を描いているのだが『ドッグヴィル』な不可逆的帰結ではなく安寧な寓話世界へ閉じ込めようとする。戦車というアイコンの衝撃性が殻を打…

リンダ リンダ リンダ

★★★★ 2005年8月15日(月) 動物園前シネフェスタ3 シラケ感が抑制を与えガールズバンド的一生懸命的ダサさを相殺した点は買うが、仮初めにも、それは熱い思いと化学反応を起こし何かに転化するべきで、こうも並列配置に終わったのでは限界を感じたりもする。…

ベルーシ=ブルースの消えた夜

★★★ 1992年9月12日(土) 毎日文化ホール 黄泉の国から眺めるという体裁上、鎮魂的な静謐が支配するのは必然で、それを狂騒を旨としたベルーシの半生を描くに用いたのが良い。エピソードをある程度知ってた方が理解は深まったろうが、悲哀をこめた暗調の展開は…

ジェームズ・アイヴォリー James Ivory

生年:1928/06/07 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

広瀬奈々子 Nanako Hirose

生年:1987// kenironkun.hatenablog.com

夜の帳の片隅で シネスケ関西老友会

先週末、2年ぶりに映画同好サイト cinema scape の同人2人、SNT、SCN両氏と飲んだ。かれこれ20年腐れ縁のように集まってる面子で、初期のころはオフ会の名の下女性の参加者も多少あり、今より皆若かったので壮士然とした気概もあったのだが、もは…

スター・ウォーズ エピソード3 シスの復讐

★★★★ 2005年7月23日(土) 梅田ブルク7シアター1 悪への転向過程があの程度の物語じゃ納得できぬし、元々予定調和に欠落した円環を補完するのみの物語に殊更の感興も覚えないが、全編ゴテゴテと画面の隅から隅まで遣りすぎ位に何かを飛ばし填め込み大概ウン…

帰らざる河

★★★ 1992年9月13日(日) テアトル梅田1 色気に頼らぬストレートなヒロインを演じるモンローのミスマッチぶりが微笑ましくもあるが、矢張り何と言っても冒頭の紫煙たなびく酒場での「ノーリターン」。空前絶後のオーラを発しまくるワンシーンのみで本作は永久…

ハウス・オブ・ザ・デッド

★★ 2005年6月15日(水) 新世界国際劇場 ゴダールが既成の映画文法を破壊しして半世紀。更なる解体を試みた男ウーヴェ・ボル…って嘘で単なる馬鹿なのだと思う。繋ぎを無視して御丁寧に主人公全員を『マトリックス』っちまう歌舞伎の大見得かと見紛う馬鹿馬鹿し…

芝山努 Tsutomu Shibayama

生年:1941/03/09 kenironkun.hatenablog.com

スティーヴン・ケイプル・Jr Steven Caple Jr.

生年:1988/02/16 kenironkun.hatenablog.com

ラストナイト・イン・ソーホー

★★★ 2021年12月12日(日) MOVIXあまがさき1 監督エドガー・ライトと聞いてなんとなく予感がしたが、やはりこれは、なんだか世間で評判良いけど俺には然程に思えるという意味で鬼門の作品であった。「マリグナント」なんかもそう。コメディとシリアス…

男はつらいよ 純情篇

★★★ 1992年9月5日(土) サンポードアップルシアター どうにも山田がマドンナを持て余しおっかなびっくりな生半可さで、寅の想いは発露さえ儘成らぬ体たらく。代わりの博の独立騒動とかも又楽しいが、添え物扱いの若尾がやはり気の毒。序盤の宮本と森繁のサイ…

甘い人生

★★★★ 2005年8月15日(月) 新世界国際劇場 これがイ・ビョンホンですか…確かに恰好いいっすな。ヨン様は理解を超えててもビョン様はわかる気がします。ただ俺としては、そういう男前野郎のプロモを技を尽くして淡々とこなすキム・ジウンも好きなんです。一塵の…

濹東綺譚

★★ 1992年8月30日(日) ホクテンザ2 高所から見下ろす視点の物語を殊更に否定しても仕方ないとは思うし、この頃の新藤が美術や撮影に拘らなくなったのは了解するとしても、出過ぎてて又かの津川のルーティーン演技の辟易さ。何ひとつ乗れない。新人墨田も凡…

スパイク・ジョーンズ Spike Jonze

生年:1969/10/22 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

パブロ・ソラルス Pablo Solarz

生年:1969/12/06 kenironkun.hatenablog.com

妖怪大戦争

★★★★★ 2005年8月19日(金) 梅田ピカデリー1 絶対零度の期待感で観始めたが、河童の「差別すな!キュー」で世界は鮮やかに転倒。そこからは一気呵成にバカ騒ぎに巻き込まれた。内輪の狂騒はスクリーンを隔てて容易には観る物に遡及しない。これはレアケース。…

タクシー・ブルース

★★★ 1992年9月12日(土) 毎日文化ホール マッチョで愚直で体制的なのと腺病質で不真面目で反体制な2項対立が配置されるが、どっちもどっちで相当に嫌な野郎なのが新味とも言える。ペレストロイカがもたらす自由とデカダンの萌芽が生硬な図式を氷解させても困…

亡国のイージス

★★★ 2005年9月3日(土) 梅田ピカデリー2 ぶれない思想軸を持つのは北鮮工作員(中井)とダイス工作員(勝地涼)のみであり、ポーズにせよ日本国体の現状を撃つと言うのなら、グダグダ言わずに東京都内にミザイルをブチ込め!2人のインサートされる背景描写…

新藤兼人 Kaneto Shindo

生年:1912/04/22没年:2012/05/29 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com…

デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン Deniz Gamze Erguven

生年:1978/06/04 kenironkun.hatenablog.com

ショウほど素敵な商売はない

★★★★★ 1992年9月15日(火) テアトル梅田1 いろんなこのがあったけどやっぱりこの人生もショウという生業も最高さ!とばかりに一切のケレン無く確信的にステージ上のショウを徹底して見せまくる一大クロニクル。一家5人のプロ芸に対してモンローの天然のオー…

銀河ヒッチハイク・ガイド

★★ 2005年9月17日(土) ナビオTOHOプレックス5 ロックウェルとマルコヴィッチの突出した怪演に辛うじてドラッグカルチャーの残り香があるが、あとは出し遅れの間延びしまくったフラワーカルチャーの残滓。この時代錯誤な脳天気さには嫌悪感すら覚える。…

1969

★★ 1992年9月19日(土) 毎日文化ホール これを70年代にやったならまだしもだが、20年後に糞真面目にやったからってなんだっていうのだろうか。余りに直截な出し遅れ感が救いがたい。先鋭が敷いた軌道で懐旧に浸ったって何がどういうこともない。(cinemasc…

リチャード・フライシャー Richard Fleischer

生年:1916/12/08 没年:2006/03/25 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

ジョン・ウェルズ John Wells

生年: 1956/05/28 kenironkun.hatenablog.com

JOINT

★★★ 2021年12月6日(月) シネリーブル梅田3 キネ旬の短評欄を見ていて3人の評者が高得点をつけている。1人などは「これはもう事件」と言っている。事件と聞いて立ち読みしていた俺は急遽見る予定だった映画をこれに変えました。 であるが、事件でもなんで…

ザ・グリード

★★★★ 2005年11月28日(月) トビタシネマ 清々しいまでに夾雑物がなくノンストップに一直線。編集で取り繕うのではなくショット内での役者やスタントの労力を惜しまないのにトリート・ウィリアムスは余裕で笑ってる。しかし、泣くときゃあ泣く。これぞ減り張り…

地獄の警備員

★★★★ 1992年9月23日(水) 扇町ミュージアムスクエア 元力士というキャラがアイデアのみで肉体の存在としてのそれには実は殆ど言及されず商社内の絵画部なる背景も脳内世界に終始する。ホラーに拘泥する振りをしながら否応なく形而上的世界観に色気を出してし…