2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧
★★★★★ 1998年6月27日(土) シネヌーヴォ梅田 女の中で狂気が内部浸食し自己崩壊していく様を細密画のように微細をクローズアップして丹念に紡ぐ。その職人技の光沢には見とれるしかない。ギルバート・テイラーの神技なモノクロームは道路の些細なひび割れにさ…
★★★ 1998年7月11日(土) ホクテンザ1 温泉の卓球という如何にもな設定をしながら、確信的に周防映画のエピゴーネンたらんとする2重の過ちを犯したが、辛うじて中年太りの松坂の二の腕の世捨て人たらんとするかの如き迫力に救われた。(cinemascape)
★★★ 1999年11月6日(土) 神戸朝日ホール 随所に出てくるディテールの緻密な表現は素晴らしいが、「草薙」乃至「公安6課」VS「人形使い」に収斂しない物語に強度はない。ともかく話がよく解らん。原作知らないんだが、これって導入部だけなんじゃないのか?…
★★★★★ 2023年2月日(月) TOHOシネマズ梅田6 人間は日々自分の考えに忠実に生きているわけではない。そんなのくだらねーなあとか思いつつ社会関係というもんがあるから我慢したり、仕事とかでもそんなこと無駄やしやってられねーわとか思いつつ給料もら…
★★★★★ 1998年7月21日(火) パルシネマしんこうえん テキトーの屋上にいいかげんの屋を架す連鎖がこれ程までに米スクリューボールコメディのスパイラルテイストに迫り得た事に驚愕。情に棹さすかに見えて驚くほど乾いてもいる。豊富な小ネタの冴えもあるが匂い…
★★★★ 1999年11月5日(金) ワーナーマイカルシネマズ東岸和田5 第六感を持つ少年の遭遇する幽霊の超常現象が相当に陳腐な表現に終始するのが、どうにも甘いが、全編を横溢する哀感を帯びた寂寥感が、夫と妻の二者二様の孤独感へと急転直下に反転するラスト。…
★★★ 1998年7月25日(土) 扇町ミュージアムスクエア サスペンスとして上質とも思えぬ地味で栄えない映画だが、初期ロージーの初々しい技巧派振りの片鱗は窺える。フレディ・フランシス撮影による、これでもかとばかりの鏡使いまくり演出が微笑ましい。それが、…
生年:1952/01/26 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com
生年:1965// kenironkun.hatenablog.com
★★★★ 1999年10月16日(土) 動物園前シネフェスタ3 異文化との邂逅や親和を描くことに於いてリーンの2番煎じ化する危険を孕むが、黒澤にはそこまでのアイロニーは無い。純粋無垢を描き真っ当に胸を打つ。加えて活劇描写の独自性がブリザードと激流の2大クラ…
★★★ 1998年8月15日(土) 第七藝術劇場 新人女優の一夏の経験ものという「角川的」典型ジャンル映画に対してのベルトルッチのそれなりに真面目な取り組みは好感を持つが、以上でもそれ以下でもない。硬質なコンジも悪くはないが、このイタリア田園風景はやはり…
★★★★ 1999年10月22日(金) ワーナーマイカルシネマズ東岸和田1 冒頭で一応の敬意を表した後、笑いに至る間際の寸止め的な地点まで極まった容赦無さの徹底ぶりで『JAWS』とは違う地平に立ち得ている。ゲスもゴアも臨界線上で高度なパランス感覚を見せ、キ…
生年:1928/11/23没年:2016/10/14 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com
生年:1968/10/05 kenironkun.hatenablog.com
★★★ 1998年9月5日(土) 梅田東映パラス プロットごとの描写は過不足なく切れ良い描写も多々あるが、行間を埋めきれてない。カタストロフィの全体像の3割位しか描き切れないようなもどかしさ。マスな状況を鳥瞰で描くことが不得手な女性の特質がモロ出た。良…
★★ 1999年9月25日(土) 神戸アートビレッジセンター 形而上的に奥深いが故なのか、単に舌足らずな演出による自壊なのか…正直わからないのだが、状況を描くにはメリハリ無くてダラダラしんどく、主人公を描くには半端なエロティシズムが気色悪くもある。強固な…
★★★ 1998年8月22日(土) ホクテンザ2 コッポラらしい冴えが見られないと言うより、最早、ある意味らしいと思えてしまう弛緩ぶりが侘びしいなりにも納得させる普通の映画。撮影や美術に決定的タレントを欠いたがミッキー・ロークを筆頭に脇を固めるキャストが…
生年:1917/10/20没年:1973/08/02 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com
生年:1945/03/24没年:2016/09/20 kenironkun.hatenablog.com
★★★★★ 1999年10月14日(木) パラダイスシネマ1 世紀末・疫病・雨と1歩間違えればあざとさキワキワのキーワードのオンパレードだがダサ直球を混じえて巧くすり抜けた。シュールな意匠は純なハートと表裏を成し、人は孤独地獄から救済されねばならないという…
★★★ 1998年10月24日(土) 動物園前シネフェスタ2 映画表現として殊更何かがあるわけではない。ただ、天衣無縫なツッコミを連発する突貫小僧と阿吽の呼吸で受ける斎藤達雄が居ればいい。カメラ脇の小津が眺めた1幕ものの漫才劇が数年後の世紀の傑作へ昇華す…
★★ 1999年10月11日(月) ホクテンザ1 『華麗なる一族』の時代じゃあるまいし、こんな大時代な銀行頭取を出す錯誤感覚の一方で絵空事めいた米映画ヒロイン風女性記者。現在認識の決定的欠如だけならまだしもアメリカかぶれの剽窃を直截に日本の風土で成立させ…
ぼろを着てると こころも寒いどんな虫より みじめだぜ還暦すぎると棺桶ちかい 金はない言うだけ番長 成れの果て 何はなくても ハッタリだけは俺の自慢の ひとつだぜ春が来りゃ 夢の木に花が咲く 今度こそ今にみておれ ベホイミ三昧
★★★ 1998年11月7日(土) シネヌーヴォ 思い入れ過多のムードノワールとして前半は良い。ドロンとヴォロンテの2人に軸が定まり安定しているからだが、モンタンとペリエが絡み出すと均衡されたバランスは崩壊し物語は停滞していく。大体肝心の強奪シークェンス…
★★★ 1999年10月11日(月) ホクテンザ1 堅実にまとまってて好感は持てるが何せ余りに小さな世界の話すぎる。大体、数万円勝った負けたのパチンコごときもんを映画館で金払って見たいと思わない。わびしさを通り越してもの哀しくさえなってくる。(cinemascape)
★★★★ 1998年11月7日(土) シネヌーヴォ 孤絶し閉塞された地域社会の一端に風穴を開け清新な風を吹き込めば、やがては変わっていくであろう因習。しかし、風に触れた少女も父親も弟も余りに無力であった。歴史の中に埋没した数多の名も無き弱者への思い。父と…
★★★ 1999年9月18日(土) 新劇会館シネマ2 極私的であることに異論はないが、普遍のフィルターを濾過しようと皆苦労する。ナマに投げ出された感情を受け入れろと言う姿勢は甘え。しけた風景の中でしけた連中がしけた話を展開するが音楽だけがやたらオーバー。…
★★★ 1998年9月19日(土) 小阪国際劇場 クソが寄ってたかって織りなす流れがものの見事に転がり転がってくサバけた脚本にクセある役者を揃えてネタ上等なのに肝心の調理人ストーンの演出にキレかなくなっちまった。単線構造で状況の錯綜を捌く腕が振るえなかっ…
★★★ 1999年9月13日(月) MOVIX六甲5 虚構に対するサイバーでメタな構造はクールではあるが、その解読過程をフィジカルなクンフーに委ねる愚劣。挙げ句には情緒的な任侠世界の住人の如く人質奪回の殴り込み。それは、最高沸点として配置されているのだが…
★★★ 2023年2月日(月) シネリーブル梅田4 ブレッソンの2作目だそう。非情で冷徹な視線はなくはないが一方でロマン主義的物語の骨法に添っているあたり模索期を思わせる。彼の資質が全面開花するのは5年後の第3作「田舎司祭の日記」からなんでしょね。 …