男の痰壺

映画の感想中心です

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

L.A.コンフィデンシャル

★★★★ 1998年9月23日(水) ワーナーマイカルシネマズ明石1 正直、懐古調ノワールとして見るならそうエッジの効いた出来とは思わないが、意外にも正義を貫く侠気や女性への純な想いが真っ当に描かれ、一方でハードボイルド風味も予想以上。スペイシーのキャラ…

お受験

★★★ 1999年9月18日(土) 新劇会館シネマ2 お受験・リストラ・マラソンという3題噺で鮮度落ちの一色が肩力を抜いて仕上げたもので、何かにつけて詰めが甘いと思うのだが泣かされてしまったのも事実なのだ。言うことがまともで子役が良いからだろう。永ちゃん…

阿片台地 地獄部隊突撃せよ

★★★ 1998年12月23日(水) 第七藝術劇場 剃刀の如き怜悧な安藤昇の口跡の良さと暑苦しいまでの南原宏治の顔面演技の正面激突に見応えがあり見て損の無い出来。更にショウブラザーズの名花(知らんが多分)ペギー・潘(潘迎紫)がキューティで切ない。(cinemasc…

シャドウプレイ

★★★★ 2023年2月日(月) シネリーブル梅田1 今回、完全版というのを見たのだが、最初の公開版を見てるわけでもなくどう違うのか知りません。検閲でカットされた5分間のシーンが足されたもんだそうな。 名前は知ってたけどロウ・イエ監督作品、初見です。パ…

犬、走る DOG RACE

★★★★ 1998年10月24日(土) シネマアルゴ梅田 ストーリーは最早どうでもいい領域に突入するカオス。その中で各シークェンスごとの艶と凄惨と笑いが立ちまくる。無軌道は臨界を軽く超えて不眠がもたらすアッパードラッグな混濁した快楽が訪れる。ええじゃないの…

スネーク・アイズ

★★★★★ 1999年9月11日(土) 天六ユウラク座 忘れた頃にやってきた純正デ・パルマ印100%。縦横無尽に動きまくるカメラと固定のズームイン。2つの超弩級長回しに挟まれればチンケな軍需謀略話も特上のマクガフィンと化する。そして、そうなるかならぬかは監…

影の軍隊

★★★ 1998年11月7日(土) シネヌーヴォ 淡々と進む話の流れを断ち切ってでもいいから得意の陶酔型描写を見せて欲しかった。ムーディな叙情描写を旨とする人が見せた転向とも言える叙事的語り口を評価する向きがあったにせよ俺には平板としか感じられなかった。…

サム・ミラー Sam Miller

生年:1962/09/28 kenironkun.hatenablog.com

落合正幸 Masayuki Ochiai

生年:1958// kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

ジョン・グレイ John Gray

生年:1958// kenironkun.hatenablog.com

大恋愛

★★★ 2023年2月9日(木) シネリーブル梅田2 ピエール・エテックスという人のことは知りませんでしたが、フィルモグラフィを見ると、ジャック・タチの助監督からスタートして、自身の作品を撮る一方、多くの監督の作品に客演している。ブレッソン、ルイ・マ…

いとこ同志

★★ 1999年8月21日(土) 神戸アートビレッジセンター コンセプトと帰結は文句無いがサディズムが不足で余りに温い。こういう状況で当然にフィーチャーされるべき「孤独」や「疎外感」や「絶望」は女を寝取られたという在り来たりな嫉妬心に置き換えられる。物…

時雨の記

★★★★ 1998年11月14日(土) ホクテンザ2 小百合のカマトトは見飽きていても哲也兄いの超絶カマトト振りには涙を禁じ得ないであろう。新味無きストーリーとキャスティングを絵葉書みたいな綺麗なだけの画面で縁取った映画であっても真摯な姿勢は心を射るのだ。…

ラストサマー2

★★ 1999年9月11日(土) 天六ユウラク座 前作を見てないので主人公のトラウマに感情移入できず、お定まりの密閉舞台での殺人趣向も凡庸で面白味も無く、途中から出て来た犯人らしき連中が何者なのかもさっぱり判らず、ラストに至っては最早陳腐としか思えぬ展…

ティム・ロビンス Tim Robbins

生年:1958/10/16 kenironkun.hatenablog.com

ジェリー・ザックス Jerry Zacks

生年:1946/09/07 kenironkun.hatenablog.com

鹿島勤 Tsutomu Kashima

生年:1956/06/18 kenironkun.hatenablog.com

丹下左膳餘話 百萬両の壺

★★★★★ 1998年12月23日(水) 第七藝術劇場 大河内の殺陣に潜む狂気な殺気と喜代三の骨身から滲む玄人臭。「日々平安」なプロットは本物イズムに担保され瞬時も緊張は途切れない。パロディに臨んで諧謔の中に鋭利を差し込む山中イズムの後世への波及。マスター…

スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス

★★★ 1999年9月11日(土) 北野劇場 サーガ序章譚としての決然たる潔さではなく、錯綜する思惑がもたらす雑然な混沌が不様。ベイダーの起源を語るという前提に安住した奢りに何様感を覚える。エピソード4~6を見てることを前提条件とした上で、辛うじてストー…

ビッグ・リボウスキ

★★★★★ 1998年12月26日(土) テアトル梅田2 コーエン的ファクターが純粋結晶として顕現し『バーンアフター』へと延伸した傑作。ゲラ笑い必至の阿呆連中の与太話の背景に横たわるベトナム由来湾岸経由の戦争後遺症的病巣が不穏な緊張を注入し続ける。その錯綜…

フレンチ・カンカン

★★★★ 1999年9月4日(土) シネマアルゴ梅田 女たらしの辣腕興行師に見えぬギャバンや集団舞踏のカンカンで芸道ものの悲喜交々を抽出し難い点でMGMミュージカルに届かない。だが、ザ・ベルエポックな衣装と色彩がルノワール父子相伝の至宝。そして、酸いも甘…

マイ・スウィート・シェフィールド

★★ 1998年12月23日(水) シネマアルゴ梅田 荒野の高圧線のペンキ塗りという絵画の旨みまずありきが見え見えで、肝心のドラマはダラに煮え切らぬまま垂れ流される。何より年の差ある男と女の話なのにポスルスウェイト親爺に若い女が惚れるような何も見いだせず…

催眠

★★★ 1999年9月4日(土) ホクテンザ1 鬼が出るか蛇が出るかの引っ張りに事欠かない序盤はTV局の顛末をピークに花盛りなのだが、所詮は催眠という行為に対してきちんとした批評が無いので後味悪い。確信的ならまだしも自覚さえしてないらしいのが作り手の胡…

日本俠花伝

★★★ 1998年12月26日(土) 第七藝術劇場 カラーシネスコ画面に加藤美学をぶち込みまくった画づらは決め決めショットのオンパレードなのだが思い入れが激しすぎて10分で疲れる。なのに、芯の通らぬ筋立てがグルグルと延々続いてとんでもなく長いのだ。又渡は…

ペイバック

★★★★ 1999年8月29日(日) ホクテンザ1 殺したいほど憎くったって最後には神の如き寛容さを見せる伝統ヒーローよ糞喰らえとばかりのギブソンの呵責も容赦もないキャラが一級の出来で、ヘヴィな撮影がハードボイルド世界を全うしている。『ポイント・ブランク…

グリマーマン

★★ 1997年1月18日(土) テアトル徳山Ⅰ 私はセガールは好きです。大阪十三に住んでたと聞いただけで親近感がわきます。どこにでも転がってる単なる女好きのおっさんなのに、何故か本人は世界で一番グレートと思い込んでるような勘違い振りが堪りません。でも、…

ベルベット・ゴールドマイン

★★★ 1999年8月28日(土) 西灘劇場 最後まで見れば御伽噺としての世界観は貫徹されてるにしても少女趣味的な導入からして脱力。結局は業界ものの常套構成は背景にすぎず語り部の半端な自分語りに収束する。どっちつかずだ。マクレガーとベールの屋上シーンは詩…

天使の涙

★★★ 1997年2月1日(土) 岩国勤労者総合福祉センター ギミック塗れの文体と技法の錯綜が来るとこまで来たという感じで、もともとに共感を抱きようがない登場人物たちがその技法に埋没し全く何も訴えて来ない。ただこういう行くとこまで行きついた振れ切れ方は…

小さな兵隊

★ 1999年8月21日(土) 神戸アートビレッジセンター アルジェ解放をめぐり敵対する解放勢力と極右軍組織という切実な題材を用いながらスパイごっこ映画しか作れない映画オタクは結果ベクトルをカリーナを女神と崇め奉ることでしか自らを語れないらしい。しかも…

身代金

★★★ 1997年2月15日(土) テアトル徳山Ⅰ 誰でも一度位はアイデアを思い付く。問題はそれを如何に深化させ派生の枝を広げ物語の揺るぎない骨子と成し得るかだが、本作は拡散して焦点ボケした。演出も丁寧だが律儀すぎてメリハリに欠け脚本の欠点を補えていない…