男の痰壺

映画の感想中心です

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

踊る大捜査線 THE MOVIE

★★★ 1999年8月7日(土) 祇園会館 平成無責任男的なキャラ付けと刑事ドラマがリミックスされたシリーズ根幹を鮮やかに提示したオープニング。そのオリジナルアイテムで自走すればいいのに『羊たち』をパクったような設定が安い。土台キョンキョンでは意外性だ…

パラサイト・イヴ

★★★ 1997年2月11日(火) テアトル徳山Ⅲ プロットの正誤や手法の選択は置いといてそれなりに気合いが入った前半の演出なのだが、シラけまくる後半の展開への全き無自覚ぶりが相殺。特に情に流される余りに80年代的チープジャパネスクなクライマックスは失笑…

アイズ ワイド シャット

★★★★★ 1999年8月1日(日) 梅田東映パラス 最先端の過激度は無い替わりに極上の器が用意され、鬼面人を驚かすハッタリの替わりに揺れ動く心の襞の細部をも精緻を凝らして描くキューブリックの新局面と思われたのに…。クルーズとキッドマンのかけ合いには後期ベ…

ファイナル・プロジェクト

★★★ 1997年3月2日(日) 徳山国際シネマ 『007』とか『インディ・ジョーンズ』みたいなのをやりたかったんだろう。おかげでジャッキーの緻密なカンフーアクションは仕掛けに物言わせた世界で埋没し、大味なスタントに終始する。そんなのは彼以外のもっと垢…

RONIN

★★★★ 1999年7月20日(火) ホクテンザ2 金で雇われるプロが身ひとつで渡り歩く孤独の中にも依って立つべき連帯意識はある。欧州ムードが孤独を際だたせる中デ・ニーロとレノが抑制された演技で中心軸を形成する仄かな友情。描くべきが決まればマクガフィンも…

ジョー・ピトカ Joe Pytka

生年:1938/11/04 kenironkun.hatenablog.com

クロード・ピノトー Claude Pinoteau

生年:1925/05/25没年:2012/10/05 kenironkun.hatenablog.com

デッドマン・ウォーキング

★★★★ 1997年3月22日(土) 徳山市市民館小ホール 殺した者は殺されて然るべきという神の視座に立った報復倫理と、人が法により裁き圧殺すことへの人為性への疑念は、対立事項として語られるべきものでもなく映画もそういうことを言ってはいない。言っていない…

猿の惑星

★★★★ 1999年6月19日(土) シネヌーヴォ梅田 猿メイクに感興は涌かぬが、断片から遡及され行く幻の如き失われし文明。唯一無二の完璧なるラストを含め、遠く『ミステリー・ゾーン』へと想いを馳せるサーリングの語り口が生命線。ロング多用の猿登場までの間の…

マイ・ルーム

★★★★ 1997年3月9日(日) テアトル徳山Ⅱ 人は死を間近にすると天使になるのだとしても姉役にダイアン・キートンでなかったら嘘臭さを感じたと思う。製作のデ・ニーロに彼女を推したストリープの慧眼。救い無く娯楽味にも乏しい話だがトップクラスの役者のコラ…

狂わせたいの

★★★ 1999年6月5日(土) 神戸アートビレッジセンター リンダやみちよの70年代歌謡に郷愁を感じたかったのだが刑務所の面会所での「他人の関係」だけが強烈に画面とフィットしただけで、あとはどうも何か違う感じだ。寺山の暗部とフェリーニの陰部を足し廉価…

101

★★ 1997年4月6日(日) 岩国国際劇場 擬人化された動物も漫画なら許容できても、実写となれば余りに胡散臭い。ブチ模様の犬を101匹も集めて人間の考えた話ににピースとして当てはめるのは奢りであろう。しかも救われんのが、そうまでされた犬達が余り可愛く…

美しきセルジュ

★★★ 1999年5月23日(日) テアトル梅田2 嘗ては強烈な輝きで主人公を惹きつけたという設定のセルジュが丸投げにクスブった様しか見せないので主人公が何故にかくもその救済に拘るのかが伝わらない。正直イライラする。しかもラストで物語に決着もつけないでは…

ジャック

★★★★ 1997年4月6日(日) 岩国国際劇場 大人の姿の子供にロビン・ウィリアムズと聞いただけで食傷感を覚えるが、彼の毛深さが思いの外に主人公の悲哀を際だたせる。対する母親にベタつかないダイアン・レインを持ってきたのも正解。導入シークェンスの乾いたセ…

ランナウェイ

★★ 1999年4月17日(土) 天六ユウラク座 製作を仕切ってお手盛り御用監督のもと天狗になっちまったクリス・タッカーが透けて見えそう。結果、素材としてのアナーキズムは雲散した。当然ながら拮抗するテンションはシーンには無いので2人揃って凡庸なストーリ…

ファーゴ

★★★ 1997年4月27日(日) 山口県教育会館ホール 多義的状況を描くのでなく一応主人公と目されるメイシーが存在するというジレンマが解消されぬので茫漠。2人組の掛け違えた歯車が狂っていくのでなく根っこからゲスで狂ってるので単線的であるし女性署長の好人…

ノースマン 導かれし復讐者

★★ 2023年1月26日(木) 大阪ステーションシティシネマ7 父王を殺され母妃を攫われた子王子が復讐のために生き延び苦難辛苦を乗り越えて。っていう極めて真っ当な伝奇ロマンであったはずなんですが。 「ライトハウス」のロバート・エガースやから、そんな単…

SPACE JAM

★★★★ 1997年5月5日(月) テアトル徳山Ⅰ NBAにも米アニメにも大して関心も無いし、しょうもないお子様ストーリーで完全なキワ物なのだが一生懸命に全く手を抜いてないので好感が持てる。しかし、教育TVあたりで毎日消耗されている子供向け番組にはこのク…

コキーユ 貝殻

★★★★ 1999年4月17日(土) パラダイスシネマ2 記憶の深層に畳み込まれた思い出が時を経て切ないまでに醗酵した後に引きずり出されたようだ。節度ある中年の男女の越えられない一線は一度限りのリプレイできない思い出として再度仕舞いこまれる。ラストの小林…

ハッピーストリート裏

★★ 1982年4月29日(木) 大阪府立文化情報センター 内向するルサンチマンは遂に弾ける術を見出せない。非情とバイオレンスを志向しつつプログラムピクチャーの枠を破って表出するものは鬱積し沈殿する倦怠のみ。今更こういう話を見たいとはどうしても思えなか…

地球は女で回ってる

★★★★★ 1999年4月6日(火) 西灘劇場 フェリーニのようなものではなく混沌とした内実が希求する表現が深層のところで合致し吹っ切れた領域に突入したアレンの里程標。ゲスな女狂いは必至こくメガネ親爺の七転八倒によって緩衝され小説世界のナンセンスと混濁し…

いちご同盟

★★★ 1997年5月10日(土) 岩国ニューセントラルⅢ 少年の思春期の悩みが今ひとつ共感を覚えるものではない(若しくは覚えるように納得させる演出力がない)ので病気の少女と出会って再生していく過程に乗り切れない。一方、父子の関係描写が良く古尾谷が父を好…

ブギーナイツ

★★★ 1999年4月3日(土) 第七藝術劇場 フィルムの質感や撮り方或いはレイノルズ筆頭のクスブリ感満載の役者陣など70年代洋ピン業界のチープなテイストがダダ漏れてるが、そもそもこんなものにノスタルジーなんて感じたくもない思いが障壁となる。業界栄枯盛…

ジャン=ピエール・リモザン Jean-Pierre Limosin

生年:1949/07/04 kenironkun.hatenablog.com

ノーラ・エフロン Nora Ephron

生年:1941/05/19没年:2012/06/26 kenironkun.hatenablog.com

マイケル・ラドフォード Michael Radford

生年:1946/02/24 kenironkun.hatenablog.com

目撃

★★ 1997年5月24日(土) テアトル徳山Ⅰ 鼻眼鏡の老境演技がわざとらしいイーストウッドのキャラクターに辟易するのだが、一応、盗視場面は彼の変態底流が滲み出て見所ではある。しかし、芸の無い脚本を単に通り一遍に撮っただけ的な演出は凡庸そのものだ。無駄…

ロング・キス・グッドナイト

★★★ 1997年5月10日(土) 岩国ニューセントラルⅡ コミックの王道とでも言うべき設定は置いといて所詮お手盛り夫婦の出来レース的な雰囲気が致命的なのだ。ジーナの勘違い女王様的な立ち居振る舞いが興を削ぐ。それを又ハーリンが太鼓持ち宜しく不必要過分な火…

キュリー夫妻 その愛と情熱

★★★ 1999年4月6日(火) 西灘劇場 あたかも教育テレビの連続ドラマの無味無臭さ。ノワレ校長の俗物性の匙加減までもが程良く当たり障りない。素直で丁寧な作りには好感を持てるし安心して見れるが多少は毒気も欲しかった。研究への情熱が連帯を産む世界での愛…

キャンベル・スコット Campbell Scott

生年:1961/07/19 kenironkun.hatenablog.com