男の痰壺

映画の感想中心です

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

スタンリー・トゥッチ Stanley Tucci

生年:1960/11/11 kenironkun.hatenablog.com

アトム・エゴヤン Atom Egoyan

生年:1960/07/19 kenironkun.hatenablog.com

愛人ジュリエット

★★★ 2023年1月19日(木) シネリーブル梅田2 これぞおフランス正調ロマン主義といった趣きで、煎じ詰めれば「色男金と力はなかりけり」ってだけの話であり、男は女々しくもフラれた女のことをいつまでも思っている。それだけの話なんです。 夢や幻想を映画…

マイケル

★★★★ 1997年5月24日(土) テアトル徳山Ⅰ オールドハリウッドから綿々と連なる過度な刺激には依存しないアメリカ映画の最良の部分。無垢な少年とは正反な胸毛と出っ腹とヤニと油まみれの加齢臭親爺をチャーミング体現したトラヴォルタに祝福あれ。世の審美基準…

TOKYO EYES

★★★ 1999年4月3日(土) 第七藝術劇場 どういう訳か世紀末に復刻された70年代ATGアートフィルムの匂い。なので感情の不整合は感性で補ってチョーってな具合の良い塩梅での適当と風景の異郷性が懐旧感を煽る。吉川ひなのの天然なカリスマ性も緑魔子的フシ…

ザ・エージェント

★★★★ 1997年6月8日(日) テアトル徳山Ⅰ 崖っぷちエージェントにポンコツ選手を配し再生が2重構造になっているのが巧妙で両者が絶妙に補完し合う。クルーズのハイテンションパフォーマンスへの転換点。ゼルウィガーのキュートな哀感も相性抜群な正統派シチュ…

のど自慢

★★★ 1999年3月22日(月) シネマアルゴ梅田 コクあるヘヴィな映像も新旧織り交ぜたキャスティングの妙も優等生的な達成度で予定調和の罠にはまっている。井筒に求めたいのは「もっと破壊を!」…って言ったって無理か…安直にマスメディアに露出し出した映画監督…

ロミオ&ジュリエット

★★★★ 1997年5月25日(日) 岩国国際劇場 ビデオクリップめいた演出は多少鼻につくものの、今更の古典を再映画化するには、枠組みに対してこれ位壊滅的な破壊操作があった方がいい。一方で台詞の温存という自己制約を課したラーマンの矜持。躁状態下の青春劇と…

がんばっていきまっしょい

★★★★ 1999年3月22日(月) テアトル梅田1 竹中直人不在が象徴する周防的ギミック偏重の邦画潮流からの決別と、芸が無いとも言える典型スポ根にも拘わらず全くベタじゃないという奇跡の混在。その奇跡の結露としての澄み渡ったような透明感が良い。調和的なノ…

シェフとギャルソン、 リストランテの夜

★★★★ 1997年6月19日(土) 徳山市市民館小ホール インディーズ映画でありながら多国籍国家に於ける民族アイデンティティを尖らず予想外の豊饒さでフィルムに残せてる。信を貫くことは結果如何に係らず気高い。そしてイアン・ホルムやイザベラ・ロッセリーニが…

グッドウィル・ハンティング 旅立ち

★★★ 1999年2月27日(土) 第七藝術劇場 請負仕事を無難にこなすこれが本当にガス・ヴァン・サントの映画なのかと思った。天才という設定は気が利いてるが捻りなくプレーンすぎる展開と手法のオーソドキシー。なので主人公の悩みは皆目心に届いて来ない。エスコ…

東京夜曲

★★★★ 1999年2月13日(土) 動物園前シネフェスタ3 いきなり故郷に帰ってきた男に慌てふためく旧知の人々。設定も如何にもで、市川の技巧は鼻につく寸前までワンパターン化してきたが、仏頂面の寅次郎を長塚京三が好演。しかし、成功の要因は耐えて受け身に徹…

ロスト・ワールド ジュラシック・パーク

★★★★ 1997年8月10日(日) テアトル徳山Ⅰ 焦らしと溜めを意識した1作目のオーソドックスに比し、こいつは兎に角くどいまでの恐竜出まくりの満喫感。緩いカンディからカミンスキーに代わりフィルムの深度が増幅。終盤は『キングコング』や『ゴジラ』へのリスペ…

中江功 Isamu Nakae

生年:1963/06/13 kenironkun.hatenablog.com

フィフス・エレメント

★★★★★ 1997年9月15日(月) テアトル徳山Ⅰ 第5のエレメントがこれか?の呆れた幼児性を、自己満足を貫徹する変てこ極まりない設定や意匠の釣瓶打ちで粉飾。豊穣な資金とパートを担う才能の結集と有無を言わせぬ展開の奔流により具現化された一大奇想天国。と…

スウィート ヒアアフター

★★★ 1999年2月13日(土) 第七藝術劇場 町から子供たちが消えたという「ハーメルンの笛吹」モチーフが前半30分を異様なミステリームードで牽引するのだが、大人たちに内在する何某は暗喩めいたままで煮えきらない。イアン・ホルム弁護士の内省的主観描写も物…

河内山宗俊

★★★ 1998年12月26日(土) 第七藝術劇場 可憐で清廉なる少女の為に無頼野郎どもが立ち上がる…そのヒロイズムは王道だがギャグパートが流れを分断し一気呵成に終盤になだれ込むカタルシスに欠ける。オプティミズム(『百萬両の壺』)とペシミズム(『人情紙風船…

愛を乞うひと

★★★★ 1999年1月30日(土) 新劇会館シネマ2 原田の2役は成人した子の演技に1万メートルを全力で走りきったランナーのような透徹した悟りと自信を限りなく静かな佇まいに滲み出させ怒涛のサディスティック感情の発露は反転し母性の慈愛へ還流する。凄まじい…

コン・エアー

★★ 1997年11月1日(土) テアトル徳山Ⅲ 戦略的采配がミエミエ過ぎる上に手垢感も半端ないという代物である。トレースは上手でも創造力皆無な面子が揃い踏み。この時代のニコラス・ケイジ主演アクションでロクなものは無い。『ザ・ロック』と『フェイス/オフ』…

学校Ⅲ

★★★★ 1999年1月30日(土) 新劇会館シネマ2 リストラに絡む部分は山田の現実認識の弱点を露呈しているが中年男女の恋愛描写はさすがに絶妙に巧い。大竹しのぶはこういう役だと本当に独壇場。そして、投げ出すようなラストがシニカルで厳しい。(cinemascape) k…