★★★ 2019年10月2日(火) TOHOシネマズ梅田10
見る気のない映画だったのだが、多部ちゃん主演ってことでムビチケを買っていた。
ところが、結婚するんだそうで、そんなことなら見んかったわ、金返せー。
とまあ、ええ歳こいたおっさんが何ほざいとんねんってことなのですが。でも、それ抜きにしても、金返せーと思いました。
この監督、初見ですが、どこが有望株なんやろか。
冒頭、主人公のサラリーマンが街頭でアンケートを通行人に頼んでいる。定点から通り過ぎる人に声をかけるのだが、そんなん無理に決まってるやんかってな感じで、数メートルは一緒に歩きながら頼まんかいと思ってしまう。
勤務先のオフィスで私用電話が携帯にかかるが、上司の横で平気で会話する。外出て話せよと思うし、だいたいこの主人公、仕事中に私語多すぎ。
些細な違和感が累積し不信感がいや増す。
所詮、映画は虚構なんだけど、虚構を成立させるのは細部のリアリティだし、それが欠けてしまっては紙芝居や学芸会だ。そんなもんに2000円近い金払いたくない。
(世界戦レベルのヘビー級のボクサーってのも無理やろってガタイだ)
男にとっての女性との「出会い」ってのが再三問われるわけだが、所詮は蓋然性のかけらもない運ってのに委ねるしかないんで、それが、結果として後に良かったと思えればそれでええやん。
って、身も蓋もない話で、そんなんご大層に問いかけること自体、鬱陶しい。
10年同棲して結婚申し込んだら出て行ってしまった彼女(このへんの女心も描き足りないのでよくわかりません)に、お前がいなくなって初めてわかったんだ。あのとき出会ったのがお前でよかったんだと。
って、こんな台詞言われて女性は嬉しいか?
嘘でもいいから、最初っからお前しかいないんやくらい言えやと思う。
多部ちゃんに免じて加点した。
自己の思念に囚われ前に進めないことが一方で他者をも幸せにできないということをご丁寧に2時間かけて言われてもと思うし、取り巻く世界の描写も随所でリアリティを欠いて演出の幼児性を露呈する。多部ちゃん可愛いが抑制を強いられ単なる人形に留まる。(coinemascape)