★★★ 2019年11月25日(月) 梅田ブルク7シアター4
前作のヒットで予算が上がったんだろうが実に堅牢な作りで、昨今のワンアイデア勝負のこの手のジャンルムービーの中では格が上だと思う。
ただ、それは見てくれの格であって、堅牢なだけでは満足するかっていうとそうもいかんのであーる。
ひとこと、驚きはまったくない。
前作の序章で、そこまでゴアにいっちゃうんかってことで予測を裏切ったような何かは終ぞ見られなかった。
だいたい、このペニーワイズなる悪鬼であるが、幻惑して陥れるのと、現実に手をかけるの両方で攻めてくるのが、まあ言わば何でもありかいなで、ずるいぞーなわけでして、それって映画として視点の定め方が拡散してしまうんじゃなかろか。
そのへん、スティーヴン・キングは実しやかな筆力があるので、小説で読んでるうちは気になる暇もないわけですが、映画としては、そのへん根本的に考えたほうがいいんじゃなかろうか。
まあ、予想通りのもんをきっちり見せてもらったという満足はある。
この監督は力量があるので、いずれもっと凄いもんを撮ってくれると思いました。
格を感じさせる演出は良いのだが、子供時代の絆の再確認に尺を費やしホラーとしてのインパクトは後退した。幻惑と物理攻撃両面で仕掛けてくる敵が心理操作が弱点というなら物理は何やったんやとなる。筆法の華麗で押すキングの内実が露呈されてしまった。(cinemascape)