★★★ 2020年2月11日(火) プラネットスタジオプラス1
なんだか意味不明の邦題である。「オクラホマの石油」ってんじゃダメなのはわかるが、なんで巨人?しかも助詞がないから固有名詞みたいで、これじゃ怪物の名前みたいやん。
ってなことも考え、配給会社もやる気なかったんやろなと思われる映画です。
油田を掘削中の丘をめぐって、個人VS石油メジャーが争う話。
個人がフェイ・ダナウェイでメジャーから派遣された交渉人がジャク・パランス。
このダナウェイ。男嫌いでありまして、それはいいんだが、どうもそこに踏み込んでいかないので、映画が生半可になってると思いました。
父親とか夫との確執ですが、断片的な言葉からの推測だが、遊び人で家庭をかえりみない父とDV夫だったみたい。
そこへ、年老いてきたんで、娘と安生やりたい父ジョン・ミルズと彼が雇ったジョージ・C・スコットがからむ。
で、丘をめぐる争奪と並行して、話の副線はダナウェイとスコットの男と女の話。
まあ、こういうのはアメリカ映画の伝統芸であって、男勝りの鉄火女がだんだん男にほだされていく。しかし、肝心のスコットが、どうも本気だかでないのかはっきりしません。ニューシネマの時代を反映しているんでしょうかね。映画もすっきりストンと落ちるとこには落ちない。まあ、それでもそこそこ楽しいんですけど。
ラストがストップッモーションで終わるのだが、さてさてこの後どうなることやらみたいな感じです。
スタンリー・クレイマーの晩年の作だが、やっぱご老体にはニューシネマ風味はあわなかったんでしょう。
ジャック・パランスがすごくいい。たぶん「シェーン」の殺し屋と匹敵すると思いましたね。
共闘関係のなかで軟化する男性嫌悪という鉄板ネタをガンガン押す訳でもなく、文字通りのカラ騒ぎに終わる顛末が如何にも半端。それでも味ある役者が演じる中年男女の接近は仄かにはときめく。見所は丘の争奪という高低差の活劇性とパランスの底知れなさ。(xinemascape)