★★★ 2020年3月22日(日) プラネットスタジオプラス1
映画史的には、アステアの銀幕初出作品って以外にこれといったトピックもない代物だと思う。
で、そのアステアに大して興味もないし、そもそも俺は50年代のMGMミュージカルが大好きってわけでもないんです。
まあ、最近見た「雨」のジョーン・クロフォードと「紅塵」のクラーク・ゲーブルが共に絶品だったので見たようなもんです。
その点では満足しました。特にクロフォードの老け顔にお目目ぱちくりのオーラは相変わらず頭抜けております。
でも、彼女が新人から抜擢されてミュージカルの主演するって設定は無理がありますなぁ。
だって踊り下手ですやん。重くってドタドタしてる。アステアはさすが軽やかですから彼女の重さが際立つ。そこを目力でカバーしようったって限度があります。
3角関係の映画でもあるのだが、その点でも、クロフォードの心の揺らめきは合点がいかない。揺らめく必然がないんです。ゲーブル1点張りでええやんて思えちゃいます。
そういう意味では、前半が楽しい映画ではありました。
クロフォードのドタ踊りがゲーブルのお眼鏡に適い主役に大抜擢って段階で破綻しているのだが、2人の半端ないオーラが有耶無耶にする。が、彼女がトーンによろめく3角関係はこうも3者の感情の表出に無頓着ではさすがに無理。促成感が否めない。(cinemascape)