男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2009年8月2日 (日))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

掉尾の一新

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7月の初旬。
とあるビルから通りに出た俺は視界の隅を横切った影に何気なく振り返った。
見覚えのある女の後ろ姿。
立ち止まり、ゆっくり振り返る。
「あっ」と思い、「久しぶり」と言いかけた声が喉で止まった。
彼女の視線は俺を向いてるのに、俺の目の後ろにしか焦点が行ってない。
病的な虚無感をたたえた眼。
その眼がゆっくり拡大し、血走った血管が浮き出る。
いや、それは、俺の幻覚だったかもしれないが…。
「さ…貞子やあ!」
あわてて、俺は踵を返して逃げ出した。
その女は、かつて同じ営業所で働いていた事務員で、数年前に異動があり、職場環境が合わずノイローゼで辞めたのだ。
すべての元凶は俺だと言い残して。
その怨みの深さを眼の奥底に見た気がした。
10日。会社の暑気払いの帰り。
駅のホーム転落事故を起こす。(前回の日記)
そんな事は有り得ないと思いつつも、「祟りか?」との疑念が。
とにかく、外で酒を飲むのが怖くなった。
でも、鬱々としながらも日々は流れる。

7月の最終日。
シネスケのL嬢と飲む。
本当は2人で飲みたかったのだが「イヤ」と言われて、大阪シネスケ界の長老N氏にも同席を依頼。
愛を読むひと」「ウルトラ・ミラクル・ラブストーリー」「ディア・ドクター」等を肴に盛り上がる。
まあ、彼女はどうだったのか知らないが、親爺2人は美人と飲めて大はしゃぎであった。
掉尾の一新とでも言おうか。
ドツボの1ヶ月の唯一の華やぎ。
運気の転換点になってくれないかなあ。