男の痰壺

映画の感想中心です

おもひでのしずく (2009年10月28日 (水))

※おもひでのしずく:以前書いたYahoo日記の再掲載です。

 

ヴィヨンな夫~新型濃厚接触者~

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●月曜日
朝、小6の長男、発熱。37度5分。学校を休ませ、寝かせて両親出勤。
昼、母親の携帯に長男からTEL。
39度まで熱が上がったから帰ってきてほしいとのこと。
母親、帰宅し長男を連れ病院へ。
新型インフルエンザと診断される。
夜、帰宅した父。
概要を聞き、しばし黙考。
黙考しているうちに酒が脳神経を麻痺させて睡眠に陥る。
夜中、タミフル、解熱剤どっちの副作用かしらんが長男吐きまくる。

●火曜日
朝、長男の熱37度台に下降。
一方、小4の次男。「顔が熱い」と言う。
熱を計ると36度台。
「ふざけんな!」とけつを蹴り倒し学校へ行かせる。
父親は出勤し、家族に新型インフルエンザ発症があった旨報告。
父の脳裏に数ヶ月前の回覧物が浮かぶ。
確か、家族に新型インフルが発症があった者は数日、自宅待機で安全を確認する旨書いてあったような…。
「それは大事。貴君に3日間の自宅待機を命ずる」
なーんて誰かがそう言うのを待ってたが、シーンとしたままであった。
昼、母親から父親に次男が学校で39度まで熱が上がって帰されたことが知らされる。
次男を医者に連れて行くのと長男を看ておくのと1人でできないから帰ってきてくれと言う。
「坊やは37度まで下がってるんやから1人で留守番でけるでしょう」
と言ったがタミフル服用の小児は決して1人にしてはいけないと医者に言われたそうだ。
そう言やあ、なんかタミフル飲んでマンションから飛び降りた子供がいたよなあなどと思い出す。
早退した。
夜、「自宅待機を命ずる」と誰からかTELないかと思い携帯を見やるもうんともすんとも鳴らず。
そんなうちにアルコールが脳神経を麻痺させていく。
夜中、タミフル、解熱剤どっちの副作用かしらんが次男吐きまくる。

●水曜日
長男、平熱に。次男も1晩で平熱になった。
タミフルの劇的効用に驚く。
一方、母親は39度の熱を出して寝ていた。
「医者行けよ」
そう言い残すと父親は玄関を開けて外に出た。
朝日に目をしかめて呟く。
「数か月前なら…俺も濃厚接触者で病院で隔離されてたのに…惜しっ!」

これは或る人非人にふりかかった数日のできごとである。