男の痰壺

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オー!スジョン

★★★★★ 2021年9月20日(月) シネヌーヴォ

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反復のエクリチュール

同じ物語を見方を変えて2度繰り返す。ホン・サンス近年の「正しい日 間違えた日」でも使われた叙法である。

 

男から見たものの見方と女から見たそれは違う。男は簡単には楽観的になれないし理詰めで考える。女はその時の感情に左右されるが男が思うほどシニカルではない。男であるホン・サンスや俺なんかが思うこういった女性観は当の女性から見たらどうなのかは知りませんが。

 

男目線の地獄落ちがあって、反転女目線の至福が到来する。つくづくどん詰まりに陥った男たちは女によって救済されてきた理を鮮やかに提示されたような気がする。

 

モノクロ映像は粋を極めていると思う。最近の「それから」もそれなりではあったが、こちらの方がコクがある。エピソードの最初に1から16までの章立てを打つのも心地良いテンポを為している。映画を形作るフォルムに意識的で、そらを完全にものにしていると思います。

 

男が感じる恋愛の身悶えするよな居た堪れなさを女の視点から脱構築する試みであり、その解は女なんてわかるわけねえという諦念と楽観に至るホン・サンス的救済天国。16分割の章立てとモノクロの粋と言える撮影が形成する映画のフォルムは早くも完成形。(cinemascape)

 

 

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