男の痰壺

映画の感想中心です

Bao

★★★★ 2018年8月4日(土) TOHOシネマズ梅田5
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 よくある子育ての回想譚で子供可愛いやの変奏バージョンかと思っていた。
「ファインディン・グドリー」の併映作であった「ひな鳥の冒険」とかそうだったし。
でも、これは子の反抗期から独立期まで描いて、母親のいてもたってもいられない葛藤がテーマ。
それを肉饅頭に仮託して描いている。
 
一種の哀しみにみちた妄想世界の掌篇だと思っていたら、終局で一転、世界は現実世界に転倒する。
鮮やかだし心の底から幸福感に満たされる。
 
子ども可愛いやはやがて反抗と断裂に至るという全く在り来たりの肉饅頭に託した掌話なのだが終局が鮮やか。唐変木めいた親爺はちゃんと鎹となって妻と息子の不和を見守っていた。時間こそが全てを融和させて解決する。そして新たな饅頭の作り手が加わるのだ。(cinemascape)