男の痰壺

映画の感想中心です

過去日記 2007~2008

映画2008
2008年、映画館で観た映画は90本。
色々あったが、よう頑張ったんちゃうやろか。

例年通りシネスケでの採点での上位を書く。

邦画★★★★★
母べえ
邦画★★★★
愛の予感」「いろはにほへと」「拝啓総理大臣様」「アフタースクール」「ぐるりのこと。」「劇場版 ポケットモンスター ダイヤモンド&パール ギラティナと空の花束 シェイミ」「スカイクロラ」「崖の上のポニョ」「しあわせのかおり」
洋画★★★★★
アポカリプト」「ノーカントリー」「マイ・ブルーベリー・ナイツ」「ミスト」「告発のとき」「スピードレーサー」「TOKYO!」「ウォンテッド」「ディパーテッド」「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト
洋画★★★★
プラネット・テラー in グラインドハウス」「やわらかい手」「夜顔」「フライボーイズ」「ロンリーハート」「パラノイド・パーク」「ジェシー・ジェームズの暗殺」「イースタン・プロミス」「シークレット・サンシャイン」「シューテム・アップ」「ランボー 最後の戦場」「スピリット」「ハプニング」「チャーリー・ウィルソンズ・ウォー」「イーグル・アイ」「マリア」

で、邦洋各1本は
母べえ
ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト

邦画の「母べえ」だが、正直どうかとは思う。ただ、「おくりびと」は見てないし「トウキョウソナタ」は買わないし「ぐるりのこと。」は世評ほど絶賛する気にならなかったということだ。「母べえ」は山田洋次の最高作ではないが、最近の1作ごとに感じる「いかがわしさ」と「新しさ」を改めて感じさせたのも事実。60台の吉永小百合に設定年齢30台の母親役を振り浅野忠信と平然と恋愛感情を演じさせるサディスティックなまでの強固な演出はやっぱり見物だと言いたい。
洋画は「ノーカントリー」かとも思ったが、年終盤に見た昨年公開作「ディパーテッド」の予想外の出来の素晴らしさにスコセッシは復調していたのだと今頃気づいて、そこに登場した「シャイン・ア・ライト」も珠玉とも言える出来で、今年のマイブームはスコセッシになった。実際は2作合わせての選定なのです。「スピードレーサー」や「ウォンテッド」まで★5か?とも思うのだが、まあ、何でも楽しめる年齢になったのかもしれない。一方、世評の高さに比して乗れなかったのが「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」と「ダークナイト」だった。
2008年12月27日 (土)

ハケンの夕暮れ
派遣切りがスパイラルな加速度で世の中を席巻している。
何とかしろの一点張りの論調が跋扈している。
規制緩和が悪の元凶のように言われている。

年の暮れに寮を追い出され寒空に薄い財布で路頭に迷う人は大変だろう。
いくら正社員で求職しても、とどのつまり派遣でしか仕事はなかったのかもしれん。

しかし、この問題は、俺には釈然としない。
何故なら、10年前に「ハケン」的ライフスタイルに擦り寄ったのは他ならぬ労働者じゃなかったのか?…と思うから。
「束縛されない自由さ」や「いつでも辞めれる気楽さ」や「趣味を優先させたい生き方」や「借り物のクール」や「仮の人生という言い訳」や…。
働き蜂的昭和世代の生き方を否定する格好のライフデザインがそこにありそうに思えたのじゃなかったのか。

掃き溜めの中で生ゴミの汁を吸って毒花を咲かす淫花のような人材派遣会社の乱立ぶり。
ピンキリがあるにせよ、そこに働く奴らの顔つきは総じて下卑ている。
そんな奴らに公然とピンハネされても尻尾を振ったのは誰だったのか。

今回の状態が何時終息するのかは知らんが、教訓を得るべきであろう。
かつて言われた「ハケン」というライフスタイルは幻想であり、今後何があっても「派遣」という条件では働かないと決意すべきで、「派遣会社」という極道には何があっても近づてはいけないということ。
応じる者がいなければ制度は成立しないのだから。

しんどいの我慢すれば仕事は幾らでもある。
いやなら死んだらいいよ。
2008年12月9日 (火)
裁判長制度~死刑推進論者の戯言
裁判員に選ばれたら…
やらんこともないが…
やっぱり気が乗らんです。
あんなもん、6人で、あーでもないこーでもないとか…
鬱陶しい。

「裁判長制度」だったらいいのに。
そしたら、未成年だろうが、精神障害だろうが
人殺したら、みーんな死刑にすんだけどね…。

子供を虐待して殺した親とか
同級生をいじめ倒して自殺に追い込んだ中学生とか
女性をストーカーして監禁した外道とか
みーんな死刑にするんだけど

殺したら殺されるってのがシンプルでいい。
今の世の中ややこしすぎる。
2008年11月26日 (水)
シャイン・ア・ライト
バラック・オバマ 47歳
田原俊彦 47歳
そして…俺けにろん 47歳

違いのわかる男たち、ふっふっふ…

全く何の意味もないが、書いてみたかっただけ…
…ではなく、やっぱ何とかせなあかん!
何をせなあかんのかわからんが、
こんなんしてる場合やないのだ。
ああ、気ばかり焦ってもしかたないけど
不惑はとっくに過ぎても、迷うばかり
自信なんか、これっぽっちもないのさ

自信ある親爺どもの生き様見たいわ、早く
シャイン・ア・ライト
待ち遠しい
2008年11月7日 (金)
憂い ~新世界国際劇場の変質~
初めて新世界に映画を観にいったのが、大学1年生のときで、今はなき「新世界座」というところで「狂い咲きサンダーロード」と「蛇拳」を観たのだと思う。脈絡のない番組構成と小便臭い場末感に惹かれ、通い、これまた今はなき「新世界東宝敷島」ではバイトもやっていた。
それから30年近くが経過した。
ずっと大阪にいたわけでもないが、まあ間断しつつもいまだに、飛田を含めたこのエリアには映画を観にいってる。

言えばキリないくらい問題も多い。
汚いとか、大声で怒鳴り合う客とか、弁当のカスが落ちてるとか、スクリーンのど真ん中にに誰かがコーヒーをぶちまけたらしきシミがあるとか(トビタシネマ)…まあ、キリないのだが、番組編成の強固さを考えると耐えれる範囲だった。

が、しかし、さすがに最近耐え難くなってきた。
新世界国際劇場が、おかまのハッテンバになっちまったのだ。
何年も前から、おかまは見かけた。
強烈に汚いおかまが、座席の最前列とかで化粧しながら声かけられるのを待っているらしいのは知っていた。
しかし、何ヶ月前に久々に行くと、明らかに様相が変わっていた。
劇場内で、おかまと親爺が乳くりあいだしたのだ。
見えないとこでやってくれりゃあいいが、俺の前の席とかでやられたら、耐え難い。

で、今日、「ライラの冒険」と「マーキュリーマン」てのを観に行ったのだが、脳内マヒに陥ってしまった。
俺の前方と斜め前方に、2人のおかまが座り、その周りに複数の親爺が集まってきたのだ、前方のおかまが、やおら立ち上がりスカートを脱いでケツ丸出しになった。で、座ったそばから、両サイドの親爺がおかまの股間に顔を埋めて何か想像したくないことをしているみたいなのだ。しかも、あろうことか、複数の親爺が周りを取り囲み観覧しているのだ。2カ所で人だかりができた劇場内は、もう映画どころではない雰囲気だった。

正直、ホモ行為をリアルに見るのも初めてなら、それが美少年とかじゃなく、日雇いの親爺たちによって繰り広げられる様は想像を遙かに超越していた。

そういう世界があることは否定しないし、かまへんのだが、俺の愛する「新世界国際劇場」がそうなっていくことには切実な寂しさを覚える。
大阪で洋画の2番館は、もうここしか残っていないのだから。
2008年9月13日 (土)
桐野夏生 「ダーク」
長らく本を読むということに倦んでいた気がする。
恐ろしく保守的で硬直的な姿勢になっていた。
数人の作家しか読まず新たな作家を読むのがしんどい。
あかんと思って、本屋で乃南アサ「凍える牙」、阿部和重グランド・フィナーレ」と漁っていって桐野夏生「柔らかな頬」にたどりついた。
とんでもない傑作。
映画作家に例えればミケランジェロ・アントニオーニの最良作の孤絶感と今村昌平の最高作の人間存在の太さの混在。
とりあえずこの人の本を片っ端から読もうと思った。
で、文庫の何冊かを手に取り、最後の解説を見る。
「ダーク」という本の福田和也の解説。

「崇高なる憤怒から発射された致命的な一撃」
ジュネーブ条約で即座に禁止される危険兵器」
「泣きたいだの癒されたいだのの腑抜けた読者を打ち倒し、ダンディズムだのプライドだのにこだわる湿った自己愛者たちを射撃する凶悪な憤怒の榴弾
「人を楽しませないし喜ばせない。恐ろしくネガティブなものが強烈な圧力で凝縮されている」

何かとんでもないもんみたいで食指をそそった。
ただ、村野ミロという女探偵のシリーズものみたいなので初期のものから読んでいった。
「顔に降りかかる雨」「天使に見捨てられた夜」「ローズガーデン」「水の眠り灰の夢」と読み、今日、「ダーク」を読了した。

終盤の細緻な描写に劇的な興奮を感じたとか、諸々な感想はあるが、
何より桐野夏生は自らが越境者であることをカムアウトしている。
そういう勇気こそ尊いと思う。
2008年9月7日 (日)
カラオケ
何年間もカラオケなんて行ってなかったし行きたいとも思わなかったが、
ここ1年ばかり行くことが増えた。
結局、飲みに行く面子の嗜好に左右されるわけだ。
カラオケボックスよりは、おばはん1人の暇なスナックがいい。
もう何年間も流行歌を聴いてない。
だから、新しい歌は知らない。

ざっと…
「月のあかり」桑名正博
「放されて」ニック・ニューサー
「遠くで汽笛を聞きながら」アリス
「旅姿六人衆」サザン・オール・スターズ
「夕焼けの歌」近藤真彦
「LOVE SONG」チャゲ&飛鳥
「ワンダラー」チェッカーズ
「ALONE」B'z
「もうひとつの土曜日」浜田省吾
「ガラスのジェネレーション」佐野元春

といった曲を繰り返しループしてる。

飽きてきたが、それがどうしたというのだろう。
何もいいことなんかない。
こんな街では。
こんな国では。
こんな俺では。
2008年7月14日 (月)
金閣寺
観光地に於ける名勝・名跡の類は大概ろくなもんじゃないのだが、
今回は、正直感動してしまった。
何がって…
言うのも恥ずかしいのだが…
余りに今更すぎて…
また、この歳になってとも思う。

だが、敢えて言おう…
金閣寺は美しい」
「とんでもないまでの存在感で俺に迫ってきた」

奈良の東大寺の大仏や山口の秋芳洞や鳴門の渦潮に匹敵しますな。

今更と思わず世間で良いといわれるもんは、やっぱ見とかないといかんね。
2008年6月10日 (火)
血液型
「いらっしゃーい」
「こんでええねん、おばはんは」
「んまあ、この方KY?」
「なんやねんKYって…かび臭い上にむかつくねん」
「…」
「あんなあ、俺はそんなん、いややねん。空気なんか読みたくもないねん」
「いやー、相手にせんとこ」
「俺のイニシャル、マジでKYやし」
「そうなん?」
「ああ」

「ところでなあ、夫婦と子供2人の4人家族で、血液型が全種類揃うパターンは何や?」
「AとBとABとOよね」
「ああ、親が何型やったら、そうなる思う?」
「AとB…かな」
「性格にはAOとBOの場合やね。その場合子供は4種類全部の可能性がある」
「うん」
「もうひとつ組み合わせがあるな」
「何かな」
「ABとOが夫婦の場合やね、このとき子供はAかBになるね」
「はあ」
「AとBの夫婦で子供がABとOになる確立は1/4×1/4で1/16や」
「はい」
「ABとOの夫婦で子供がAとBになる確立は1/2×1/2で1/4やね」
「…で?」
「AとBの親からABとOの子ができる方が厳しいやないけ」
「…」
「しかも、ABとOの夫婦って何か相性良さそうやろ、で、AとBの夫婦って。めっちゃ相性悪そうやんけ」
「…」
「そんなん考えたら、AとBの親にABとOの子供が揃う確立は天文学的にレアなんちゃうか?」
「…それが、あんたや言いたいんか」
「ふっふっふ…」
「自慢しとるん?」
「…あかん?」
「自慢するなら…何か他にないん。しょうもないねん、あんたの話」
2008年5月8日 (木)
倖田來未
信じたい未来を今この手
掴みとるから
諦める事はまだ早いの
綺麗になる Burning Heart
もっともっと輝けるわ Butterfly

「人魚姫」とか「キューティハニー」も試したけど
やはり、これが一番そそるし乗れるね

年末年始で3回パチンコやって15万ほど勝った。
全部、倖田來未ちゃんで勝たしてもらったのでございます。
まあ、こんな経験は今まで無かったし今後もないだろう…。

てなわけで
今更、信じたい未来なんてないけど
この手で何かを掴みとろうとはし続けたい
もちろん諦める事なんて考えたことも無いし
年がら年中 Burning Heartでっせ
もっともっと輝けるぜ 馬喰町
2008年1月5日 (土)
映画2007
2007年度ベスト映画
邦画「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」
洋画「今宵、フィッツジェラルド劇場で

今年映画館で観た映画は75本。
例によってシネスケ採点★4と★5を抽出すると
邦画★5「大日本人」「赤い文化住宅の初子」「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」
邦画★4「パプリカ」「魂萌え!」「龍が如く 劇場版」「にっぽん泥棒物語」「喜劇 女売り出します」「現代インチキ物語 騙し屋」「故郷」「新仁義の墓場」「キサラギ
洋画★5「マリー・アントワネット」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」「今宵、フィッツジェラルド劇場で」「世界最速のインディアン」「ヘアスプレー」
洋画★4「カポーティ」「ドリームガールズ」「シリアナ」「サンシャイン2057」「バベル」「あるいは裏切りという名の犬」「ダイ・ハード4.0」「トランスフォーマー」「ポイント45」「ショートバス」「デス・プルーフinグラインド・ハウス」「エイリアンVSヴァネッサ・パラディ」「ブラッド・ダイヤモンド」「パンズ・ラビリンス」「毛皮のエロス ダイアン・アーバス 幻想のポートレイト」「タロットカード殺人事件

とまあ、33本の映画に満足したわけで42%という高率的中。俺の選択眼が向上したのか、もしくは満足するボーダーラインが下がったのか…多分後者であろう。脳の血管が詰まっていたことも影響しているのかもしれない。

邦画は「大日本人」の潔さをとも思ったが都合4本を鑑賞した三池作品の中から採りたかった。旧作「新・仁義の墓場」は完膚無きまでの完成形を呈示してくれたが、焼き直し感がどうしても気になった。「ジャンゴ」の無秩序なコラボレーションを統制感をもって完遂するという離れ業を選択した所以だ。山本薩夫増村保造森崎東山田洋次のニッチな旧作群にも魅入られた。これらは全て新世界の日劇会館で拾ったものだ。俺にとっての2007年ベストシアターはここだった。
洋画はクローネンバーグの驚くべき変貌に衝撃を覚えたが、アルトマンの遺作に追悼の思いをこめた。いずれにせよ、この2本が突出していた。5点の5本の次点として「デス・プルーフ」を挙げるが、こういう巧緻なジャンキーぶりも「エイリアンVSヴァネッサ・パラディ」の真性さの前では霞む。マリファナとヘロインの違いとでも言うべきか。或る意味恐ろしい拾いものだった。尚、これを観たのも新世界国際劇場だった。
2007年12月24日 (月)
M-1 TVを観るということ
今更なのだが、初めてM-1グランプリを最初から最後まできっちり観ました。
大体ずーっとTVで何かをじっくり観ることがなかったのですが、秋に入院経験をしたときにTVばかりを何日も観ていたので体が順応できるようになったみたいです。

で、M-1ですが、大方は納得できる結果でしたが、「ハリセンボン」と「ダイアン」の評点には違和感を感じました。全く正反対の意味でですが…。
俺なら、こうつけたでしょう。
①ダイアン②サンドウィッチマントータルテンボス笑い飯キングコング

ダイアンの1つのネタをシュールに飛躍させていく加速度と芸風は昨年のチュートリアルに並ぶと感じたのですが…。TVとライブで見るのでは印象も違うのでしょう。
2007年12月23日 (日)
脳梗塞の記憶 PART①
昨日、オシム監督が」脳梗塞で入院との報を聞いた。
俺も、ついこないだまで脳梗塞で入院していたのだが、やはり、何かを記しておくべきだろうと今更に思う。
これは、或る平凡な男の更生の記録である。

※※某氏曰く※※
「お前は今回人生で最大の幸運を拾ったのかもしれない」

10月19日(金)
仕事帰りに同僚と焼肉を食いに行った。曽根崎2丁目はお初天神向かい。4,000円で食べ放題飲み放題の激安。かなりいける店で「これからも来るぜ!」と盛り上がり、そこを出た後若いのと2人で新地のショットバーで終電まで飲んだ。
結局、これが深酒できる最後の夜になる。

10月20日(土)
朝から女房には仕事に行くと言って、映画を見に行った。梅田ピカデリーで「ヘアスプレー」を見たあと何か疲労感を感じた。しかし、更にスカイタワーへ行き「パンズ・ラビリンス」の当日券を購入、時間があるので、同ビル地下の飲食店で飯を食って時間をつぶした。見終わって、家に電話をした。
「どうしたん?」
「何が」
「何か。声変やけど」
「そうか?疲れてるからや、帰るわ」
と言ったつもりが
「そうふぁ?ふはれてるはらひゃ、はへるは」
としか言えてないことに気付いた。
考えてみたら、その日、朝家を出てから誰とも何もしゃべっていなかったので声の異変に気付かなかったのだ。
帰り道、「これは非常ーにヤバイ状態かも」と思い憂鬱になる。
案の定、女房も「脳梗塞とかとちゃうのん」と言う。
「まあ、明日になって直ってなかったらヤバイかもな」(意訳)
と何の根拠もない見解を言って、そのくせ焼酎のロックを5杯飲んで寝た。

10月21日(日)
「どうなん」
「あはんなー」(あかんなあ)
「病院行ってきいや」
「にひひょうひやはらやってへんひゃん」(日曜日だからやってないやん)
「そやなあ…」
「はいはひふふぁ」(明日行くわ)
で、その日は、昼に近所のスーパーで弁当を買ってきて焼酎ロックを5杯飲み、夕方に別のスーパーに車で買出しに行き、帰って又夕飯で焼酎ロックを4杯飲んだ。

10月22日(月)
朝、会社の事務所に出て用事を片付けていると
「どっか具合でも悪いんですか」と事務員に聞かれた。
「…ひふはな、どほうはら、ほれふがまははへんねん」(実はな土曜から呂律が回らへんねん)
「それ、マジ、ヤバイですよ」
「ほれほほうほほふ…ひょっとひょういんひっへふるふぁ」(俺もそう思う…ちょっと病院行って来るわ)
梅田3丁目は大阪中央病院の外来受付。
「ひょれふはまはらなふなはんですへど、なにはへふは?」(呂律が回らなくなったんですが、何科ですかね)
「へ?…」マジマジと受付の女性に顔を見られた。
「ちょっと聞いてみますから、そこの椅子に座っててください」
しばらくして、看護婦が1人来た。俺に気付かず受付に行き「さっき電話くれたん誰よ」と怒鳴っている。俺は恐る恐る立ち上がって看護婦を見た。彼女も指差されて俺の方を振り返る。目が合った。俺は「ど、どうも…」ってな感じで手を上げた。一瞬怪訝な表情のあと安堵が入り混じった複雑な笑みを浮かべて近づいてきた。
「座って、血圧測らせて」
俺は座った。
「自分で歩いて来た?」
「へえ…」(ええ)
測定を終えた彼女の視線が俺の顔を射抜く。
「上が231、下が152」
正直、健康に何の関心も持ってこなかったので、それが高いのか低いのかも俺にはわからなかった。
「あなた、高血圧に強い体質?」
「はは…」(さあ)
「いい、動かないでよ絶対に」
受付から電話をしたあと彼女は車椅子を持ってきて俺を乗せた。
ストレッチャーに移され4階の検査室に運ばれ、医師が来た。問診のあとMRI検査にまわされた。しばらく後結果を聞かされた。
脳梗塞やね」
「はあ」
「ここの病院、脳神経外科無いんでな、転院手続きするけど同意する?」
「はひ」(はい)
10分後、俺は救急車の中で密かに思った。
「しまった!来る前に机の中のエロ本処分しとくんやった」

続く…
2007年11月17日 (土)
バベルな現実
先月のことなのだが、小4の息子の目が悪くなった。
先月、急に悪くなったわけでもないのだろうが、新学期の健康診断で両目とも、0.2しかないことが判明したのだ。
去年まで1.2だったのだから異常な悪化である。
医者に連れて行った女房の話では、急に背が伸びた割に顔の幅が広くならなかったので、そうなったらしい。
そうなったのなら仕方ないが、気が重いのは
「永久に視力が回復することはなく、成長が続くにつれて、ますます悪くなる」らしいってこと。
「多少高くても、分厚くない眼鏡買ってあげてください」なんて言われてあきらめきれるかよ…。

今月に入って、小2の息子の片耳が聞こえていないらしいことがわかった。
確かに以前から呼んでも反応しないことがままあったし、話す声がやたら大きいのも考えてみれば変であった。
医者に連れて行った女房の話では、麻疹か何かで高熱を出したときに内耳の神経がやられてしまったらしい。気が重いのは
「まったく聞こえてないですし、治療のしようもないです」と言われたらしいってこと。
「もう片方の耳大事にしてあげてください」って敗北宣言言い渡すなよ…。

試しに、俺は片耳に指を突っ込んで町を歩いてみた。味気ないもんだ。
ああ、俺の息子は一生ステレオで音を聴くことは叶わないのかよ。
まあ、2人とも事の意味を真剣に考えられる歳でもないし、能天気に今までと同じに朝から晩まではしゃぎまくっているのは救いだが…。
何とか治してやれないかなと思っている。

映画「バベル」を見た。3つの話すべてに子供が出てくる。彼らを取り巻く世界の現実を提示した映画だと思う。
2007年5月19日 (土)
リアルな世の中
例題1
サトシ  「行けー!ピカチュー!10万ボルトだ」
ピカチュー「ピカー!」
バリバリバリ!ズドーン!ウギャー!
サトシ  「やったー!ゲットだぜ!」

例題2
のび太  「うわーん、ドラえもん、何とかしてよう」
ドラえもん「んもう、しかたないなあ…○○ぅうー」
のび太  「わあ、ありがとう」

俺はサトシとのび太を限りなく憎む男なので、こういう展開を望む。

例題1
サトシ  「行けー!ピカチュー!10万ボルトだ」
ピカチュー「…」
サトシ  「行けー!」
ピカチュー「…」
サトシ  「…」
ピカチュー「…」
サトシ  「何で…ピカチュー…」
ピカチュー「年柄年中、何でワイが行かなならんねん、ガキが…しばいたろか」
サトシ  「ピ…ピカチュー」
ピカチュー「たまには、お前が行って、どつかれまくったらええねん」
サトシ  「ピカ…」
ピカチュー「甘えくさっとるんやないで、ボケ!」
サトシ  「ぼく…死にます」

例題2
のび太  「うわーん、ドラえもん、何とかしてよう」
ドラえもん「…」
のび太  「ドラえもん、お願いだあ」
ドラえもん「大概にさらせよ」
のび太  「えっ…」
ドラえもん「…」
のび太  「…」
ドラえもん「ええかげんアホみたいに年柄年中ワイに頼っとるんやないで」
のび太  「ドラ…」
ドラえもん「大概にさらせよ、ボケ」
のび太  「ぼく…死にます」

ええかげん、こういう展開にしてくれないかなあ…。
 
2007年4月30日 (月)
自己弁護
「ぼくちゃん、営業苦手なんですう」
…最近、そう言う戯言を2回続けて聞いたのだが、世代ギャップを如実に感じてしまった。
1人はオーナー経営の2代目のクソガキで、1人は関東から来た「デキる」奴という触れ込みの肩書「営業部長」なのだが…。
2人とも俺より7歳下の30代後半。
俺は、「ああ、そうなん…」と酒の席では返していたが、思ってしまうのだ。
営業が苦手なんじゃなくて、嫌いなんでしょ…と。
だから、それなら、こう言って欲しい。
「ぼくちゃんは、あんな屈辱的なこと、名刺目の前で破かれたり、20代の女の子に見下げたような言い方されたり、受付の電話で話の途中で切られたり、やってられないんですぅ…」と。
分かり易く言って欲しいのだ。
苦手ってのは、出来るスキルは有るけど、したくない。ってことで、
出来ないと言うなら、やる気を喚起する能力が無い。ってことだ。

「苦手」ってのと「能力が無い」の違いを真剣に考えて欲しい。
自己弁護ほど見苦しいもんはない。
で、見苦しい奴が多すぎるのよ。
2007年4月25日 (水)
ハスミン
蓮見重彦 問う 「未知との遭遇」という映画を見て、何が見えたか。
黒沢清  答える「○○が○○回見えました」

○○が何だったか黒沢が○○回見えたと答えたか覚えていないが、このやりとりを最近も雑誌か新聞か何かで呼んだ覚えがある。
東大だったか立教だったか何の講義での話だったかも覚えていない。

蓮見の本は昔何冊か買った覚えもあるし、今でもたまに本屋で立ち読みしたりもするが、正直、大嫌いです。

狭量すぎです。
あんな風に枠を規定したら簡単すぎるじゃないですか。
簡単なことは猿でもできます。

最近、新聞のコラムで彼が、野球がオリンピック種目から外されることに関して一席ぶってましたが、そんなことは皆わかってるじゃないか、としか思えませんでした。わかっちゃいるけど、もっと何とかなるんじゃないかと皆思ってるわけで、彼のように、ぶった切って済む話でもないでしょう。

そんなことで済ませていたら、人類は滅びます。

言ったことに責任を持つのが、大人の男なら、さっさと手前えの命ぶった切って消えて下さい。
2007年3月29日 (木)
ツンデレ
何ヶ月か前の職場での俺(45歳)と後輩(38歳)の会話。
ツンデレって知ってます?」
「なんやねん、なめとんのか、しばいたろか」
「いや…最初はお店でツンツンしてる女の子がしばらくするとデレデレになるシチェーションが受けてるらしいですわ」
「お前、しまいに殺したろか」
「おもしろいですね」
「何がおもろいねん」
「萌えません?」
「…あのな、逆やろう…って言うかほとんどは逆やぞ」
「…」
「女ってのは最初はデレデレしてても、結婚したらツンツンになるもんや」
「…」
「そんなん言ってるから結婚でけへんのちゃうんか」
「結婚したいなんて思いませんね」
「又聞きたいん?俺の少子化についての見解」
「…」
「女は優しくなけりゃ女じゃないね、何がツンデレやねん、アホンダラ」
「…」
「なんかイラついてきた、ほんま殺したろか、お前」
「…」
「この前なあ、テレビで、おでんの缶詰ってやってたんやけど、アキバで売れてたんか?」
「食べたことあります」
「マジ?お前、行ってるわけ東京までしょっちゅう」
「…まあ、近所のジャ○コでも売ってますけど…あれは公園とかで1人で寒い日に食べたらそれなりに美味しいもんですわ」
「…」
「…」
「だから何やねん」
「…」
「マジ殺したろか」

俺は本気で思ってるのだが、アキバで自分の支持率が高いってことを嬉しそうに語る政治家が本気で政権を取ろうとしていることだけで、この国は半分滅びの縁に立っていると思う。
2007年2月12日 (月)
ゾンビの嫁入り
日曜に何年もやったこともないのに、子供と公園でサッカーの真似事をした。年甲斐もなく猛ダッシュを繰り返し息が上がって呼吸困難になった。家に帰るとそのまま横になりたかったが、昼飯を作りたくない女房と買い物に行け行かないで喧嘩になり、結局折れて弁当を買いに行った。寒風が身にしみ悪寒の気配のようなものを感じた。家に帰って頭に来て酒を飲んだ。そのまま寝た。夕方に目が覚めると、明らかな風邪の兆候を感じた。熱を計ると38度を超えていた。布団を敷いて寝た。何時間か寝た後夜中に目が覚めた。そうなると、今度は眠れない。しかし、悪寒がしてたまらないので布団の中にいた。うつらうつらした…。
そして、こんな夢を見た。

俺は研修か何かで田舎の何かの会館のようなとこに来ていた。
俺より若い奴らや年輩者や多くの人が参加していた。
知ってる顔もあった。
そこから何が起こったのかは最早朦朧として定かでもないのだが…
そこはゾンビ村であったのだ。
村人ゾンビは研修の参加者を次々に襲い、襲われた者もゾンビになっていく。
そして、俺も追われる…。

実は、こういう類の夢はよく見る。
自己分析するなら、日常で何らかのプレッシャーを感じているときに強迫観念が投影されて見るようだ。ゾンビというのは意外と初めてだったが、宇宙人のパターンは何度も見た。

夢なんて1日過ぎればほとんど忘れる。
しかし、今だに鮮烈に脳裏に焼き付いている場面。
俺は、建物の中庭みたいなところで、廃材の陰に隠れている。
見上げると、建物の回廊めいたところを行列が通っていくのだ。
それは、ゾンビ女の嫁入りであった。
何故、嫁入りと思ったかは知らないが俺にはわかった。
花嫁の後に何人もの女ゾンビが付き人か何か知らないがついて歩いているのだが、皆顔を雁字搦めにしばっているのだ。
意味は全く不明だが禍々しいまでにシュールで気持ち悪かった。

まあ、リンチやクローネンバーグも、こういうのを映画にしてるんだろうなとは思う。
だから、俺はプレッシャーは嫌いではない。
2007年1月16日 (火)