男の痰壺

映画の感想中心です

過去日記 2006

2006 映画
今年、劇場で見た映画が55本。
相変わらずの低調ぶりで、尚且つ金が無いものだから、どうしても安物映画ばかり見てしまう。3本立て1,000円とかそういうたぐいのだが、これが悉く外れた。
以前は、このころになると、自己評価はともかく、世間的には○○がベストワンになるんだろうな…とか大体予想がついたもんだが、ほとんど新作も見てないので、さっぱりわからない。『ゆれる』とかは評判良かったみたいだけど見てないし、まさか『フラガール』とかじゃないだろうな。もし、そうなったら終わりだぜ。(ちなみに、あくまで年度代表としてはという意味でです)

CinemaScape」での自己採点★★★★★と★★★★を列挙してみる。
邦画★★★★★
『ALWAYS 三丁目の夕日』『競輪上人行上記』『にあんちゃん
邦画★★★★
『寝ずの番』『解散式』『フラガール』『ど根性物語 銭の踊り』『武士の一分』『鉄コン筋クリート
洋画★★★★★
ドッグヴィル』『トゥモロー・ワールド
洋画★★★★
戦争のはじめかた』『クラッシュ』『ミュンヘン』『M:i:Ⅲ』『PROMISE』『至福のとき』『SAYURI』『ブギーマン』『マッチポイント』『レイヤー・ケーキ』『ディセント』『グッドナイト&グッドラック』『マシニスト

ベストは『にあんちゃん』と『ドッグヴィル
邦画に関して言うと、今村昌平というのを世間で言うほどには買っていなくて、『にっぽん昆虫記』と『復讐するは我にあり』を除くと『豚と軍艦』も『赤い殺意』も『神々の深き欲望』も『人類学入門』も今いちピンと来なかった。だから、『にあんちゃん』も全然期待もしていなかったのだが、これは少年映画のとんでもない傑作であった。一方で『競輪上人行上記』であるが(脚本に今村が参加)、こっちは人間の暗部がどす黒く滲み出してくるような凄みがあった。
洋画は対極的な2本に惹かれた。映画的カタルシスの果ての絶望と暗鬱の連続の果ての希望。『ドッグヴィル』と『トゥモロー・ワールド』は、その映画的技巧の絶対性に於いても甲乙付け難かったが、良識派の反撥を招きかねない断罪を敢えて問うた『ドッグヴィル』を挙げる。
2006年12月20日 (水)
感慨
こないだの金土日。世間では3連休だったかもしれないが、俺は金土は仕事であった。
金曜日は夜中から仕事して昼間に家に帰って酒を飲んでフローリングの床の上で寝てしまった。
それが拙かったのだろう。昼の3時頃目が覚めてパソコンを眺めていたら目眩がしてきた。煙草が不味く吐き気さえ覚える始末。
熱を計ったら38度であった。
それから、1晩38度近辺の冥界を彷徨い翌朝、土曜日の朝は36度台におちついたのだが、会社に行って昼過ぎから俄にぶり返し4時には早退させてもらった。
土曜の晩から日曜にかけて、再び冥界を彷徨う。
家は狭くガキどもは俺の状態に関係なく騒ぎ立てる。
俺は夢とうつつの狭間で俄に思ったのだ。
「ああ…甘い甘いバニラのアイスクリームが食べたい」…と。
間断なく続く咳のおかげで、喉は炎症を起こし、高熱に冒された体は汗を絞り尽くす。
「冷たくて甘いバニラのアイスクリーム…食べたらさぞかし美味しいだろうなあ…」
しかし、誰もそれを買ってきてくれるわけでもなく、時は過ぎ去っていった。

最早、熱もとっくに退き、咳も僅かに出るばかりとなった今日、俺はコンビニへバニラのカップアイスを買いに行ったのだ。
そこで驚愕する。
見たこともない代物を発見した。
「特盛」
と記されたそれは、異様な輝きを放っていた…ように見えた。
買った。
家にこっそり帰り、密かに隠れてカップを取り出す。蓋を開けた…。
バニラとチョコとストロベリーの3色が整然と3分割された姿があった。
「こ、これは…」
容器を調べる。
「うっ…セ、センタン…」
センタンの昔懐かしい3色アイスを単に巨大化しただけの代物だった。
ああ…チープな味が懐かしい…。
しかし、喰えども喰えどもなくならない。
最後には気持ち悪くなってきた。

俺は思う。こんなことしてる場合じゃないと。
人生80年として、折り返しを過ぎた俺が…。
しかし、日々は瞬く間に流れていく。
2006年11月8日 (水)
DARK CITY ~日々徒然~
昨日、同僚が車に轢かれたとの電話があった。
同僚といっても、そんなに親しいわけではない。勤務場所も違うし、会っても黙礼を交わす程度だ。
轢き逃げであったそうで、跳ね飛ばされて外傷は全くなかったが、頭をスキャンしたら大量に出血していたそうだ。昼の1時から手術したが思わしくなく夜の10時から再開頭が行われたらしい。脳がずれてしまっているそうだ。彼には小4の女の子と小2の男の子がいる。
その後、どうなったのかは聞いていない。
夜仕事して昼家に帰ったら、女房は仕事に行っていなかった。小3と小1の息子が桃太郎電鉄のゲームをしていたが、俺は、このゲームにはいいかげんウンザリしていて、画面を見るのも苦痛で、頭の中がモヤモヤしてきた。
インターホンが鳴って子供の友達が遊びに誘いに来たが、「おとうさんがいるから」と子供は断った。
外で遊べと言ったが、彼等は外での遊び方を知らない。
腹が減ったと言うので、カップ麺に湯を注いだ。ラーメンとうどんと焼きうどんがあったのだが、俺は残った焼きうどんを喰った。カップ麺の焼きうどんってのは初めて食べたが案外に美味いもんだと知った。
当然の如くに酒を飲み始め、いつの間にか寝ていた。
電話の音で目が覚めた。
社長からで、轢き逃げの犯人が捕まったとのことだった。同僚がどうなったのかは聞いていない。
家の中には誰もいない。
寝てる間に女房が帰ってきて子供を連れて買い物に行ったようだ。
酒を飲み過ぎて頭が痛い。
TVをつけてみたが何も見たくない。
台風はそれたようで空は晴れていた。
何かをせねば…このままでは俺は…。
切羽詰まった思いに駆られるようにして俺は外に出た。
そして、散髪に行った。
2006年9月18日 (月)
マクガフィン
「今日こそは何とかしましょうよ。時間がないんですわ、時間が」
「おう!何とかしようぜ!」

かれこれ20数年前、俺は先輩とシナリオを書こうとしていた。
ところが、何回も先輩の家に行って紙とペンをもって向き合うのだが、何故か四方山話に明け暮れ、挙句には酒を飲んで滅茶苦茶に酔っ払って終わってしまうのであった。

「宝探しだよな」
「ええ…宝探しの話でした」
「で、宝って何やった」
「知りませんがな、考えとく言ったんちゃいますん」
「…」
「…」
「…マクガフィンや!」
「えっ…」
マクガフィン
「…マクガフィンですか」

当時、「ヒッチコックトリュフォー 映画術」というクソ分厚い本が売り出されていて、何かそれを買わないとあかんみたいな雰囲気があったのだ。
そこに確か「マクガフィン」という言葉が出てきた。

「解決したがな、これで」
「で、どうしますん」
「そやな、こういうイメージ考えたんやけどな」
「はい」
「人口衛星で主人公たちは常に監視されてんねん」
「おお…いいですね!」
「広角から望遠に何ショットか切り替えた荒れた映像をインサートするんや!」
「はい!」
「かっこええんちゃうん」
「めっちゃかっこええです!で、どういう組織に監視されてることにします?」
「そうやな、マクガフィンでいこう」
「…」

「こういうシーンもあるで。高速道路のパーキングエリアで主人公たちが休憩しとるんや」
「ええ」
「でな、缶コーヒーか何か飲みながら一息ついとるとな…」
「ええ」
「誰かが何かに気づく」
「…」
「遠くの高速道路の路側帯にな、何かがあるねん」
「はあ」
「何か不安を煽るようなもんや」
「イメージはいいですね、で何にします」
「うん…」
「…」
マクガフィンや」

「主人公の少女な、実は超能力もっとんねん」
「おお!」
「でな、ドラウブウェイでみんなが休憩しとるときにな、車の中に1人残った少女がな、外で騒いどる連中のこと、じーっと見とるわけよ、で、瞬間ぞぞーっとな、それが起こるわけよ」
「…」
「…」
「何が」
「…マクガフィンやがな」

俺はその日を最後に先輩の家を訪れることはなかった。
で、学生時代の最後に撮った8ミリ映画はマクガフィンだらけのものになってしまった。

フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』より
マクガフィン(MacGuffin, McGuffin) とは、映画(スリラー・サスペンス物に多い)などの作劇上で、登場人物への動機付けや話を進めるために用いられる、仕掛けのひとつである。 作品の登場人物は非常に重要なものだと考えているにも関わらず、観客にはほとんど説明されなかったり、説明されたとしても価値が疑わしいような「なにか」のことである。マクガフィンという言葉はアルフレッド・ヒッチコックによって考案されたとされる。

最近「MiⅢ」を見て思い出した青い日々のことである。
2006年7月25日 (火)
BRICs
おい、お前や、何やねん、さっきから見とればウーロン茶ばっかり飲みくさって、辛気臭いやんけ、酒飲みに来とるんちゃうんか、えっ、明日の仕事に差し障りがある?そんなもん皆あるやんけ、いっぺんゲロ吐き散らかしながら仕事してみ、おもろいこと請合ったるわ、何やて、俺か?なんべんもあるがな、ええもんやでえ、朝、会社来て天井がグワーっと歪んできて、ヤバッ!思たらグゲゲゲゲーてなあ、出て来んねん、胃の底から食道通って一気呵成にドバドバ…ゴゲゲゲってよ、ええもんやがな

 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

おい、お前、なあBRICsって知ってるか?…ええ?聞こえへんがな、何、知らん?新聞くらい読まんかいな、ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字取ってBRICsやがな、有力新興国のことや…何が言いたいか分かるか?…なんやねん情けないのお、よう見ろ…おお!よう見ろ言うとるやんけ…俺の顔見てどないすんねん、見るんはこっちや、俺の隣に座ってる川上さん(仮名)見ろや…どうやねん、お前川上さん(仮名)知っとんか、知ってるやと?何知っとんねん、おう、お前は川上さん(仮名)の何を知っとるねんっちゅうとんねん、よう聞けよ、川上さん(仮名)はなあ、前歯2本あらへんし、左手の薬指と小指あらへんし、髪も頭のてっぺんは随分あらへんしな、ガリガリに痩せて風がふいたら倒れて骨折れそうなみてくれしてるけどなあ、よう聞けよ、川上さん(仮名)はなあ、この人こそBRICsを完全制覇した男なんや、どや! …意味わからん?株やってるんかって?そんなんちゃうがな、この人はなあ、ブラジル人とロシア人とインド人と中国人の女を買ったことがあるんや!

 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※

何事も制覇する気概で生きていきたいと思う。
2006年6月16日 (金)
村上ファンド
「人の幸福は俺をヘコませる」
と前回書いてしまったのだが、やっぱあかんね、そんなんじゃ。
「人の幸福は俺の生きがい」
て言うのは嘘くさいが、せめて
「人の幸福は俺を奮い立たせる」
くらいの人間にはなりたいもんだ。

今回の「村上ファンド」のインサイダー取引による立件にせよ、こないだの「ライブドア粉飾決算にせよ相当に恣意的である。
インサイダーも粉飾も線引きが明確にあるんだろうか…と思うからだ。

俺には聞こえる。
「トッチャン坊やみたいな若造が、巧いことやってボロ儲けしやがって、みとれよおんどれ」
「何がヒルズ族だってんだよ、苦労も知らない成り上がり連中が、しばき倒したろか」
政界や財界や善良な市井の庶民や親爺や婆あ連中や良識派やボンクラやオケラ軍団や…そして、俺の内なる声から。
恨みと妬みとやっかみと野次馬的興味とで形成されたの多くの怨嗟の声が。

だから思う。
「人の幸福は俺を奮い立たせる」くらいの人間にはなりたいと。

ただ、こうも思う。
既得権益に守られた関西老舗電鉄会社の無能爺い経営陣が潰されることに何を擁護すべきことがあるのだろうか。
やはり、潰すべきはこっちじゃなかったのか?
2006年6月6日 (火)
幸福
「昨日ちょっとええことあったんですわ」
「なんやねん」
「朝からWINS行きましてん、G1やってましたやろ」
「ああ」
「で、第1レースとメインだけ買って帰ったんですわ」
「ああ、そうなん、ふっ…俺は第1レースなんか買わんね」
「はあ」
「君ねえ、データに基づかない勝負はしない。これ俺のポリシー…ふっ」
「はあ、でね、帰って携帯で結果みたらダブル万馬券ですわ、まあ、ちょっとしか買ってませんけどね」
「…」
「メインも取ったし、ツキ廻ってきたみたいです」
「…よ、良かったやないか…で、なんぼ買っててん、100円か?200円?」
「いやあ、そこまでせこくないですわ」
「えっ…ん千円?」
「ええ、まあ、そんなとこです」
「…お前~殺すぞ」

とまあ、最後の台詞は心の中でつぶやいたわけだが、
週の初めの朝一から絶対に聞きたくない話であった。
そう、人の幸福は俺をヘコませる。
2006年5月17日 (水)
格差
最近、「格差」というもの何かと取りざたされるようになってきた。
くだらんと思う。
格差の拡大を是正せよという人は格差なんて人類が誕生して以来、又このあとも未来永劫に続いていくということを知らなかったとでもいうのだろうか。
こんなことを、皆が言い出したら民族は滅びるであろう。

是正すべきは悪平等である。
規制に守られた組織や企業は、どうしたって腐る。
そして、そういうところにいると人も腐ってくる。
本当に腐った奴らが多い。

悪平等を是正して競争原理に基づいた格差を容認せよ。
これしか、俺たちの子供たちが幸せになれる道はない。
2006年4月12日 (水)
セカンド・インパク
ざ~んこ~く~な天使のように
…再起不能になりやした。
エヴァンゲリオンセカンドインパクトで一度も勝てません。
何があかんのかと思うにそもそも見たことないからだと思いレンタルビデオ借りやした。

ヘタレ少年が、強制的に別嬪のお姉さんと同居するはめに…
そして同僚たるパイロットも美少女揃い…
とまあ女房の手前見てるのが恥ずかしくなるようなオナニー少年の理想郷願望話でございます。

ただ、私も何時かは理想郷に身を埋没させて静かに余生を送りたい。
明日は叶うなら理想郷に身を委ねるつもりです。
新世界という映画の殿堂に…。
2006年3月23日 (木)
続・言語矯正ヤクザ
「おい、そこの2人、戻ってきたんやったら報告せえや」
「おっす」
「うぃっす」
「どうやったん、ちゃんとハギとれたんか、城南のボケから」
「おっす、…それがですねえ、野郎ああ見えて…」
「…あかんかったんやったら、そう言わんかいな」
「おっす、すみません」
「で、どうすんねん、この商売、相手になめられたらおしまいよ」
「おっす」
「うぃっす」
「明日必ず…」
「絶対やな?」
「おっす、間違いないっす…俺的には」
「…」
「…」
「今何て言った?」
「えっ…」
「俺的ってなんや」
「えっ」
「なんで的やねん」
「いや…」
「なんで」
「…おっす、すみません」
「…もう1回言ったら殺すぞ」
「おっす」
「うぃっす」

「兄貴い…超怖かったっすね」
「ふん、まあ、おっさんも頭固えよな」
「でも、明日ケリつけないとマジやばそうっすよ」
「おう、まかせときなって」
「うぃっす」
「景気直しにパーッといくか!」
「うぃっす!いいっすね、俺的にはそれグーっすよ」
「…」
「…」
「…おい」
「えっ…」
「おまえら金玉ついてんなら命乞いすんなよ」
「ひいぃ~」
「げげぇ~」
男は2人を射殺すると夕闇迫る町の何処ともなく姿を消した。
2006年3月18日 (土)
言語矯正ヤクザ
「兄ちゃん、それくれ」
「はい、こちら牛カレー丼でよろしかったでしょうか」
「なんやねん」
「は…」
「なんやねんちゅうとんじゃ」
「あ、あの…」
「かったって何やねん」
「…」
「何で過去形やねんちゅうとんじゃ」
「…」
「よろしいですか、でええんちゃうんか」
「…」
「言い直せ」
「…よろしいですか」
「最初からそう言わんかいボケ、殺すぞ」
「…」
「他のお客さんにも、そう言えよ、聞いとるからな」
「…はい」

「おう、うまかったで兄ちゃん、勘定」
「ありがとうございます」
「ほれ」
「1,000円の方からお預かりします…お返しの方…」
「おい、何て言った今」
「えっ…」
「何て言ったかっちゅうとんねん」
「…」
「しばき倒して、しまいに埋めたろか」
「…」
「方って、どっちの方や、えっ」
「…」
「西か東か」
「…」
「はよ言うたらんかい、眠ならんうちに」
「あの…」
「どっちや」
「あの…」
「おう」
「…あっち」
「…おもろいなあ、ほんまおもろいわ…覚悟しいな」

男は店員をその場で射殺すると、姿を消した。
明日は君のバイトする店に現れるかもしれない。
2006年3月17日 (金)
駅の喫煙コーナーにて
月曜の朝の7時。
駅の喫煙コーナー
煙草を吸う俺の周りには10人くらいの男女。
そこに、ピンクのダウンジャケットに黒のジーンズの若い女性が1人来た。
俺の斜め前で彼女も煙草を吸い始める。

俺はぼんやりと思索を巡らす。
今日1日のこと。
来週のこと。
来月のこと。
半年後のこと。
パズルのように想定される事象を組み合わせ解きほぐし思念をめぐらす。
5月末で出向を解かれるのだ。
そして、会社は解体される。
やっととのほっとする思いと同時に混乱と悲哀を想像すると気が重い。

ふと気がつくと、1人のおっさんが女性に近づいてきた。
そして、いきなり女性の腰に手を触れなでた。
俺の脳内に緊張が走る。
おっさんは言った。
「姉ちゃん、シャツ出てるで」

…おっさん、それはわざと出しとるんや
俺は腰をなでられた女性の表情を注視する。
緊張と恐怖と怒りと侮蔑…
しかし、俺が予想したそういう感情を女性の表情の中に見出せなかった。

彼女は笑っていた。
軽やかすぎるくらいに。

霧が晴れるように気持ちが軽くなった。
2006年3月13日 (月)
グレイゾーン
喫煙の有害性をクローズアップすることのみに世論が傾き始めている。
課税金を増強しての270円→500円説などが実しやかに流布している。
俺は、こういうワンサイドに流されていく世論には非常にキナ臭いものを感じるし、危険とさえ思う。

セクハラ訴訟で被疑者を注意しなかった職場の上司までもが損害賠償請求される。
…新聞でこういう記事を読んだ。
アメリカの在りようがが何も絶対でもなかろうに、日本も訴訟社会への道を突き進むのだろうか。

相反する意見があって当然だが、グレイゾーンというものも間違いなくある。
一方が一方を完全に封殺しようという姿勢は一種のファッショだ。
非喫煙者や職場の女性は嘗ては被害者だったろうが、容易に加害者に転じ得る。
で、今そういうグレイゾーンを認めない原理主義的ストリームの中に時代はある…ように思える。

先日の幼稚園児殺害事件も、根のところでは、そういう風潮と無関係と思えない。

今年2本目の映画『ALWAYS 三丁目の夕日』を見たあと思った。
2006年2月20日 (月)
暗澹たる未来
1.「おうおうおう!てやんでえ!おかげでよ、おいらの持ってる株が下がっちまったじゃねえか。どう責任とってくれるってんだよ!」

2.「おっほん!さよう、まあ、投資家のこと思えば、まさか上場廃止にはせんでしょう」

1はライブドア強制捜査の翌日の新聞
2はライブドア株売買成立の翌日の新聞
に載った検察と東証に対する善良なる個人投資家の「戯言」である。

馬鹿は死ななきゃ治らないって言うが
これじゃあ、いつまでたってもグローバリゼーションなんて無理だぜ。

夜中に女房がウンウンうなされていた。
どんな夢でうなされていたかを聞くと
おだてられて参院選挙で刺客として立ったら当選しちまって、何を話せばいいかわからず逃げ回っていたそうだ。

どうなるんだろう…
日本という国は…。
2006年1月26日 (木)
ホリエモン
ねこの目
ねこの目
ねこの目
みっつ
ひとつおおいよおおくなんかないよ
遺伝子操作だ ギャオ!

粉雪が舞い散る中を世間を呪いつつ自転車をこぎながら
突如思い浮かんだ替え歌を口ずさむ。
そして、遺伝子操作→狂科学者→狂スポンサー→ホリエモン
俺の想念は次々あらたな飛躍をとげていく。

今回の検察の摘発を受ける直前
彼は次のビジネスターゲットとしてバイオテクノロジーを挙げていた。
…ような気がする。
又、宇宙旅行に関しても言及していた
…ような気がする。

何10億もの巨資を得た男が目指したものが
「バイオテクノロジー」「宇宙旅行」「プロ野球」「TV」
だったとすれば、わかりやす過ぎて好きになっちまいそう。
少なくとも「社会正義」とかを恥ずかしげもなく口にするネットモールの社長よりかは愛嬌がある。

それみたことかの世間の論調はかえって腹立たしい。
俺は、潰されるのが、あと1、2年先であって欲しかった。
ドラマが序章で終演したかのようなもどかしさ。
これでは、映画にするにも「転」落ちだよ。
2006年1月23日 (月)
誤発注
まいったなあ…
又やっちまったよ。
こないだ「ジェイコム」の誤発注やらかして怒られたばかりだってのに
今度は「ライブドア」売りを買いで流しちまった。
しかも、又株数間違えてるし
どうしよう…
報告しないとあかんかなあ
ああ…どんどん約定していってるよ
瞬く間に500億円分か…そりゃあ売りたい奴しかいないんだからな
一旦おしっこでも行って考えようか
やばいなあ…
今回ばかりは反対売買も無理っぽいもんな
ええ?もう2000億いってるじゃん
アウトだよ…
知らんよ、もう…

かくして100年の歴史を誇る日本の3大メガバンクの1つは消失した。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

100万の金で全てを失う者もいる。
1万円を貸したばかりに何ヶ月も悩み続ける男もいる。

嘗て、かのチャップリン氏のたまわく
「1万人殺せば英雄で5人殺せば罪人とはこれ如何に」
と…。

…ふっふっふ。


落ちが思い浮かばない。
2006年1月21日 (土)
新年の泣き言
今年に入ってから、ずっと咳が止まらない。
今朝の5時にホームレスと揉めてしょっ引かれた会社の若いもんを警察に引き受けに行った。
長いこと廊下の長椅子で待たされた。
途轍もなく寒かった。
咳が止まらなかった。

咳が出始めた切欠を考えてみた。
2週間ほど前に女房と喧嘩して晩の12時からプチ家出したのが発端だったように思う。
チャリで寒風の中を40分もこいで会社の宿舎にたどり着いた。
出る前はオールナイトの映画館にでも転がり込もうと思ってたのだが
しんどくてそれどころではなかった。
翌日には微熱が出た。

何にもロクなことがない。

パソコンが壊れちまったが当然買い換える金なんてない。
新年会で言わされた念頭の抱負ではカラ元気で景気のいいこと言ってみたが実際は何の勝算もない。
気分転換に映画をみたり本を読んだりする間もない。
毎日、安酒を飲みすぎて酒が残ってない朝がない。

劇的に苦境だというのではなく生殺し的にダラダラ状況が悪いから質が悪い。

まあ、それでも、何時しか時は過ぎ何らかの道筋は見えてくるだろう。
そういうもんだと思う。
2006年1月19日 (木)