男の痰壺

映画の感想中心です

東京裁判

★★ 1995年8月15日(火) 天六ユウラク

裁判映像だけで十二分に歴史的価値があるだろうに何でもかんでも付け加え過ぎて散漫。アウシュビッツなぞの映像を筆頭に法廷以外のフィルムはどこかで見たようなのばっかり。記録映像に作家性をヘタに注入しようとしたが恣意的なものにしか感じ取れない。(cinemascape)

 

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初恋のきた道

★★★★★ 2001年5月2日(水) OS劇場CAP

人を好きになるという1点だけを描き映画はここまで持たせられるものだったのかという驚きは絶えなき手法変革中毒イーモウの敢えての陳腐が皮相に倍加する。ツィイーちゃん可愛やは淡彩背景でピンク映えの色計算で無敵レベル。ビッチ本質が隠し味。(cinemascape)

 

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逃走迷路

★★★ 2022年9月11日(日) プラネットプラスワン

北北西に進路を取れ」の原型との話を何かで読んだような記憶がある。身に覚えのないことで追われるハメになる男の話であり、クライマックスの舞台にアメリカの有名景勝地を持ってきている点などモチーフと構造が似ている。

ただ「北北西」がほんとうに何で逃げてるのかチンプンカンプンで、得意のマクガフィンをこれでもかと適合させて尚違和感がないという絶対映画の域に達してたのに比べて、こちらでは反政府の破壊工作組織に濡れ衣を着せられるというリアリズムの尻尾が見える。

 

それにしても、違和感が横溢する映画だ。組織の大者らしい農場主をめぐるエピソードのノホホンとした緊張感の無さや、途中から同道するヒロインの反駁しながら恋に落ちる過程のテキトーさなど。ヒッチコックが常套的サスペンスや恋愛のリアリティに何の関心もなかったのがよくわかります。

 

さすがにラストの自由の女神でのシークェンスはアングルの切り方の特異さが連続して魅せるんですが、後期のヒッチコック映画の根っ子を形成するサディズムとユーモアは未だ垣間見ることはできないのです。

 

農場主エピソードの緊張感無さや同道するヒロインが恋に落ちる過程のテキトーさなど違和感が横溢し常套サスペンスや恋愛リアリティに関心もなかったのがよくわかる。ラスト自由の女神でのシークェンスはアングルの切り方の特異さが連続しさすがに魅せるけど。(cinemascape)

 

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アリゾナ・ドリーム

★★★ 1995年5月6日(土) ACTシネマテーク

ダナウェイもルイスもよく肥えて弛んでおりアメリカンドリームの終末と残滓を体現して余りあるが映画まで弛んで感じるのはどうかと思う。しかし、一方で構成も場面の構築もきっちりしているので掴み所の無い茫洋感がある。(cinemascape)

 

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