男の痰壺

映画の感想中心です

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

マイケル・タックナー Michael Tuchner

生年: 1934/06/24 没年: 2017/02/17 kenironkun.hatenablog.com

哀しみのトリスターナ

★★★★ 1986年3月9日(日) SABホール 2転3転する力関係の力学的帰結にブニュエルが興味ある訳なく因果応報の無限地獄の提示こそが旨なのだ。濡れた古都トレノの佇まいが叙情的で、ヒッチ垂涎のブロンド美女の「ああ…脚が…」といったサディスティックフェチ…

バッド・ルーテナント

★★★★★ 2010年2月27日(土) 梅田ガーデンシネマ2 救いがたい性悪男のダメになりそでならない綱渡り人生にヘルツォークはヘビとワニとイグアナに憑依し冷笑的視線を送るが、自身も若干普通じゃなさそうなのがチャーミングだ。南部の湿度との相性も良く、ほぼ…

攻撃

★★★★ 1986年2月23日(日) 花月シネマ シナリオが設定した極限の駄目キャラエディ・アルバートに拮抗するパランスのオリジナルな役者力。『ヴェラクルス』から来し『北国の帝王』に至る男ガチ劇の線上で、しかし、外された感のある終盤。それが、詠嘆の作劇の…

イーライ・ロス Eli Roth

生年: 1972/04/18 kenironkun.hatenablog.com

ハンネス・ホルム Hannes Holm

生年:1962/11/26 kenironkun.hatenablog.com

騙し絵の牙

★★★ 2021年3月31日(水) 梅田ブルク7シアター4 予告篇であんだけ煽るもんだから、どんなドンデン返しがあるのかと期待値も高まってしまいました。 【以下ネタバレです】 派閥抗争の片側についていた大泉洋が策を弄して相手方を潰す。 であるがついていた…

人間失格

★★ 2010年3月2日(火) 梅田ピカデリー1 今の時代に単に堕ちていくことを描くことで何かを呈示できると思ってるのだろうか。それをご丁寧に似非清順歌舞伎めいた桜や花火で縁取るのが尚阿呆らしい。一歩譲っても時代が意味を持つ話。男役者たちの今風所作の…

妖婆 死棺の呪い

★★★★ 1986年1月3日(金) SABホール 牧歌的世界の怪異小話としてパラジャーノフ的くすんだ原色が味わい深く、まあ悪くないと嘗めていると、やがて始まる3夜の祈祷が夜毎に凄みを増して行き一種のカタストロフィにまで達してしまう。驚天動地の弾け具合。(c…

博徒対テキ屋

★★★ 2010年2月20日(土) 日劇会館 常道としか言えない任侠ものだが、片岡と近衛という一世代前の2人を主軸に置き鶴田、更には松方へと継承される時代の変遷が1本のフィルムに刻印されたのが乙である。更に背広スタイルの丹波が同居する妙ちきりんさも味わ…

アントワーン・フークア Antoine Fuqua

生年: 1966/01/19 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

スコット・デリクソン Scott Derrickson

生年:1966/07/16 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

ミツバチのささやき

★★★★ 1986年4月6日(日) 大毎地下劇場 1994年6月26日(日) つかしんホール 怖じることなくあらゆる対象を凝視するアナの大きな黒い瞳。その瞳にスクリーン越しに吸引される観客の視線というメタ構造の一方で映画内でスクリーンの『フランケンシュタイン』を晒…

ハート・ロッカー

★★★ 2010年3月6日(土) TOHOシネマズ梅田7 現在進行形の戦争に対し及び腰で、多くのメッセージを内包するかに見えつつ余りにスルーが目立ち斟酌が足りない。主人公をマッチョなカリスマにも設定しないので割り切った作りにもならない。中盤の砂漠のシ…

ゴーストバスターズ

★★ 1986年1月19日(日) 大毎地下劇場 初見者が「全員集合」や「欽ドン」に感じるだろう約束事に依って立つ喜劇センスへの拒否感。サタデーナイトライブを使いこなすには迎合的なライトマンでは荷が重い。かといってお化けエフェクトも大したことない。万人受…

ドゥニ・ヴィルヌーヴ Denis Villeneuve

生年: 1967/10/03 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

セルジオ・マルチーノ Sergio Martino

生年: 1938/07/19 kenironkun.hatenablog.com

クライム&ダイヤモンド

★★★ 2010年2月27日(土) トビタシネマ 50年代映画に多く言及されてるが、寧ろ70年代的ロマンティシズムへの憧憬(アンリコやワイルダー他)が感じられ心地よく懐かしい。一方で敵キャラ造形はタランティーノ以降の90年代風味でこれも又良い。ただ両者…

キャバレー

★★ 1986年4月26日(土) 友楽スカラ座 出涸らし的な裏社会ムードだけ映画で悦に入ってるのは角川春樹だけらしいのだが金出してるので誰も何も言えないわけで、そういう我が儘は希に突出した作品を産み出したりもするがきわどい感じで凡庸。茶番劇である。(cine…

人の砂漠

★★★ 2010年3月6日(土) 梅田ブルク7シアター7 真摯さは認めつつも、40年前のルポを今さら映画化する意味を呈示し得ていないし、更に4人の監督が撮った各挿話のテイストの近似ぶりが気持ち悪い。深夜枠のTVドラマが関の山の優等生のデジカメ金太郎飴…

本多猪四郎 Ishiro Honda

生年: 1911/05/07没年: 1993/02/28 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.…

ギャヴィン・オコナー Gavin O'Connor

生年:1963/12/24 kenironkun.hatenablog.com

マンボウ節

月が出た出た 月が出たマンボウ措置下の街に出た あんまり効き目がうすいのでさぞやお月さん ねむたかろ(サノ ヨイヨイ) 一山 二山 三山 越えこの先幾山越えるやらなんぼ支援をしたとても潰れてしまえば水の泡(サノ ヨイヨイ) あなたがその気で 言うのなら思…

小間使の日記

★★★★ 1986年3月8日(土) SABホール 内向する変態フェチと抑圧下の少女愛が錯綜する田舎ブルジョワの混沌を掻き回す都会の冷気を纏ったヒロイン。そういう二項対立はモローの無表情と透徹されたモノクロ撮影の良さもあり格調さえも獲得する。しかし、後半は…

フローズン・リバー

★★★★ 2010年3月9日(火) シネリーブル梅田1 主人公の入墨やピアスや下着の趣味や銃捌きの躊躇無さが語る語られざる来歴。映画だけが駆使し得る話法を知悉し使いこなす妙。そして、当たり前の母性が当然のようにある世界では社会も当然優しいという絶対的確…

鑓の権三

★★ 1986年2月8日(土) 観光会館地下劇場 半端な道行きが何時しか真実のパッションを発露させるにはひろみが軽すぎて志麻は重すぎる。釣り合わない2人は結果全く嘘臭い。しかも、本物志向のロケーションも創意のフィルターを通さぬでは絵葉書と同レベルに堕す…

ロバート・マリガン Robert Mulligan

生年: 1925/08/23没年: 2008/12/20 kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com kenironkun.hatenablog.com

前田司郎 Shiro Maeda

生年:1977/04/13 kenironkun.hatenablog.com

ノマドランド

★★★★★ 2021年3月30日(火) TOHOシネマズ梅田7 冒頭で企業城下町の疲弊が語られ、その後アマゾンでの短期雇用がでてくるので、ああケン・ローチ的に分断・格差の問題にリアル側面から言及する映画なのかと思いましたが違ってました。 自分たちはホーム…

友だちの恋人

★★★★★ 2010年3月26日(土) 梅田ガーデンシネマ1 饒舌なダイアローグと絶妙な省略が繰り返され、「行く来る」というさり気ない無言の人々の歩行アクションが簡潔に来るべきプロットを喚起し、その繰り返しのもたらす快楽のリズムに身を委ねる。泣き笑いの至…