男の痰壺

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水深ゼロメートルから

★★★ 2024年5月8日(水) テアトル梅田4

4人の女子高生が水の抜かれたプールでうだうだやってるわけだが、後半にその中の1人がポカリを買いに行くのにカメラがプールから出てついていくと野球部の女子マネージャーに出くわす。その子の話すこと聞いて、俺はあーやっとまともな子に出会えたとホッとした。

というのも、4人がやっている話が如何にも演劇臭バリバリの奇矯な話で、押し並べてジェンダー論に依拠してるという教科書的なマニュアルの胡散臭さで辟易するからである。

 

女子高生を描いた作品は山ほどあるが、大人が書いたものがほとんどで、まあ言わば大人の論理で構築された人物が女子高生の仮構を纏って劇内を生きているわけである。リアル女子高生が等身大で書いたものはこれほど救いがたく青臭いのかと思う。とまあ散々言ってますが、もっと幼くていいから素直に今の自分たちを描いてくれたらと思う。だって女子高生であることはそれだけでかけがいのない価値なんだもん、あの女子マネージャーの直向きさのように。とおじさんは思うわけです。

 

水のないプールという四角形の極めて舞台的な、でも一方で開放性がありそれなりに広い空間に4人の出演者を適宜配置して構図の妙を愉しむ。題材を任された山下敦弘はそのへんをかなり意識的にやってるとは思う。ただ、劇的な盛り上がりの無さはやっぱ如何ともし難い。

 

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